小学生、クラスの子が「観察カード」を上手にかけるようになる方法はこれ!実際に行った授業方法を紹介します!

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小学校の理科でよく行われる「観察カード」。皆さんはどのように指導していますか。「絵や字を丁寧にかこう」や「わかりやすくしよう」なんて声をかけてもひどいカードを平気で提出してくる子がいますよね。「この辺もう少しやってみたら。」とアドバイスしても、「もういい。」と言って違うことを始める子を見てるとこちらも疲れてしまいます。そこで今回は、クラスの子が「観察カード」を一定の出来に仕上げる方法を紹介します。「観察カード」の指導を考えている方の参考になれば幸いです。

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目次

観察カードを丁寧に仕上げさせる方法その1 書き方を示す

 

「観察カード」をクラスの子が丁寧に仕上げさせるための方法その1は、「書き方の基準を示す」です。「観察カード」と言っても子どもたちにとっては何が正解かわかりません。その中で各自に活動を始めさせてしまうと、「自分の中での正解」で終わらせてしまうことになります。結果、いい加減な「観察カード」であってもそれが正解になるため、それ以上を求めることなく提出してしまいます。

そこで事前にこれが正解となる「観察カードの基準」を示します。観察カードの基準は以下の通りです。

 

 

① 観察カードはノートに書く(1ページを使って書きます。つまりワークシートを使いません。ワークシートだと丁寧に書けない子ほど無くしてしまうからです。)

② ノートの中に枠を書いてつくります。これは教師が黒板に示しながら一緒に行います。そのため、ノートの拡大版か、プロジェクターで示した大きなノートの図を示して行います。

一番上の行に、「( )観察カード」という題名を書きます(2行使っても構いません)。

③ 行を変えて2列目に、「日付」。3列目に「天気」「気温」を書く場所をつくります。

④ 3列目の左端のマスの真ん中に点を打ちます。3列目の右端のマスの真ん中にも点を打ちます。間を10行空けて同じように左端と右端のマスの真ん中に点を打ちます。この4つの点を線引きでつなぎます。これでイラストを描くマスが完成します。

⑤ その下の行に、「(わかったこと、思ったこと、気づいたこと)」を書きます。

これでノートの準備は完了です。

 

 

 

観察カードを丁寧に仕上げさせる方法その2 正解例を示す

ノートへのカードの書き方を教えたら、次はお手本となる「完成の観察カード」を見ながら解説をしていきます。配る観察カードは「10点満点」の観察カードです。それを元にどうしたら10点満点になるのか解説します。

1 題名は書いてあるか。今回は、「アブラナの観察カード」が題名になります。あれば1点もらえます。

2 日付、天気、気温は書いてあるか。日付と天気と気温が書かれていれば1点になります。

3 1マスに1文字で書かれているか。題名や日付などが1マス1文字で書いてあれば1点もらえます。

4 絵や字がていねいに書かれているか。絵であれば色付けも行います。丁寧に書いてあれば1点です。

5 キャラクターなどのイラストを使っているか。オリジナルのイラストで楽しく描けていれば1点です。楽しむことも大切です。

6 線引きを使って書けているか。イラストを入れる枠を線引きを使っていると1点です。

7 観察した内容をくわしく書けているか。例えば「おしべ」のですとか、「花弁」の枚数、「おしべ」のなどを3つ以上書いていれば1点です。

8 適度なスペースがあるか。ぎちぎちに書くと逆に見にくくなってしまうので、適度にすっきりしたスペースをとることも必要です。

9 「キーワード」を入れているか。今回の観察では、「おしべ」「めしべ」「花びら」「がく」などが「キーワード」になります。教科書を見ながら見つけて書き込みます。

10 「わかったこと、気づいたこと、思ったこと」が書けているか。「わかったこと、気づいたこと、思ったこと」を2つ以上書けていれば1点です。

これらの点数を合計すると10点になります。

 

写真になっている部分も絵で描くことになります

 

観察カードを丁寧に仕上げさせる方法その3 最低合格点を示す

 

ノートへの書き方を紹介し、点数が入るポイントを紹介したら実際に観察に出かけます。観察カードに書き込む前に、「最低合格点」を示します。

「10点中8点以上取れたら合格です。」

と指示をしてからスタートさせます。なぜ10点満点ではないかというと、10点でないと合格できないとなると、どう頑張っても時間内に合格できない子が出てしまいます。合格できなければ次回以降のやる気につながりません。クラスの全員が時間内に終われて、しかも上手なカードを作るためには、「8点」がちょうど良い点数になります。

これも最初から最後まで子ども任せにするのではなく、途中で評価をしてあげます。最後まで自分でやらせてから評価すると、もう修正できない子も出てきてしまうためです。途中の段階で指摘してあげることで、修正できるようにしてあげます。

この点数はそのまま評価につながります。8点でいつも終わっている子に比べ、毎回10点を取る子は、「意欲」も「表現」も良い評価になります。

また、8点取れるまでは絶対に合格にしないというのも大切です。特に始めたばかりのころは、8点を取らずに許されるとその後も、「8点を取らなくてもいい」という感覚になり、カードの書き方が上達しません。8点のラインは何度やり直しさせてもいいので必ず守らせます。特に「線引きを使う」や「丁寧に描く」は厳しくチェックします。そのうちいい加減にやっていた子も、諦めて丁寧にやってくるようになります。8点取れることに慣れてくればカードの書き方も上達してきたことになります。

 

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか。今回は観察カードをノートに書くという方法について紹介しました。10個のポイントを意識して書かせることで、それまで適当に書いていた子にも基準ができます。あとは基準を超えられるように頑張らせれば上達できるということです。この内容は、以下の書籍を参考に実践しております。興味がある方はこちらもご覧ください。

低学年になるほど多くなる「観察カード」、もっと上達させたいと考えている方の参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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