小学生、1年生「ずうっと、ずっと、大好きだよ」の話し合いは心情曲線で!実際に行った発問を紹介します!

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小学校1年生の物語文の中に、「ずうっと、ずっと、大好きだよ」があります。皆さんはどのように授業を進めていますか。今回は「ずっと、ずうっと、大好きだよ」を「心情曲線」を使って行った授業を紹介していきます。これから授業を行おうと考えている方の叩き台にしていただけたらと思います。

 

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目次

「ずうっと、ずっと、大好きだよ」の心情曲線は、「ぼく」の「エルフが死んでしまった時の気持ち」で追う

 

「ずうっと、ずっと、大好きだよ」のクライマックスの場面は、「エルフ」が死んでしまい、家族みんなで悲しむ場面です。「ぼく」の「エルフ」が死んでしまったときの、「ぼくの気持ち」を考えます。

「ぼく」は、「エルフ」が年をとって思うように動けなくなってから、家族の中で一番「エルフ」に寄り添ってずっと面倒を見てきました。「ぼく」は毎晩、エルフに「大好きだよ。」と声をかけてきました。

クライマックスでは、「ぼく」は「少しだけ気持ちが楽だった」という気持ちに変化します。そこには「ぼく」の心の変化があったと思われます。そこでこのお話では、「ぼく」を「中心人物」として考えていきます。そこで心情曲線は、「エルフが死んでしまって悲しい」という悲しみの深さを書き込むワークシートにします。使った心情曲線は以下のファイルです。上のスペースには教科書の本文を貼り付け、文章のどこで曲線が変化するかを曲線で示していきます。

 

ずうっとずっと大好きだよ 心情曲線 

 

「『ぼく』は『エルフが死んでしまって悲しい』」のだから当然曲線は悲しみの一番深い場所にあるはずです。しかし、クラスの子どもの中には、「悲しみの少し上」を行く曲線を書く子がいます。そこで2つの曲線を取り上げ学習問題とします。

クライマックス場面の心情曲線で分かれたのは、A「次の日エルフは動かなくなっていた」の部分から一番悲しい場所まで下がる曲線と、B「少しだけ気持ちが楽だった」の部分で悲しみの中で少し上に上がる曲線です。

 

「ずうっーと、ずっと大好きだよ」の主発問は、「ぼくの曲線はどれが正しいか」で話し合う

 

どちらの答えが正しいと思うか、自分の考えをノートに書きます。書き終わったら、A 、B のどちらの考えかはっきりさせるため、黒板にマグネットを貼って立場をはっきりさせました。

2つの意見について話し合いを行います。「ぼく」の「エルフが死んでしまって悲しい」の気持ちは、A「エルフが死んでしまって深く悲しい」か、

 

 

ずうっとずっと大好きだよ 心情曲線  A

 

B「『少しだけ楽だった』で少し上がる」のどちらの場面かです。

 

ずうっとずっと大好きだよ 心情曲線  B

 

 

Aでは、賛成意見として、「ずっと一緒に過ごしてきたエルフが死んでしまったから」や「お墓に埋めてあげてもう会えないから」という意見が出てきました。

一方Bの賛成意見では、「『いくらか気持ちが楽』と書いてあるから」という意見が出ました。私が子どもの意見を詳しく聞きながらまとめてみると、「ぼくは家族よりたくさん世話をしてきて、毎晩『大好きだよ。と言ってあげたから家族より楽」という意見にまとまりました。(少し誘導もありましたが…。)

Aに対する反対意見として、「大好きなエルフが死んでしまって悲しいのに悲しくないにするのはおかしい」や「家族の中で一番エルフを世話していたのはぼくだから一番悲しい」という意見が出ました。ほとんどの子がこちらの意見になりました。

そこで、「エルフ」をお墓に埋めている挿絵を黒板に貼り、よく見てもらいました。

 

 

すると、家族がみんな泣いているのに、「ぼく」が泣いていないことに気づく子が出てきました。「なぜ家族は泣いているのかな。」と聞いてみました。すると、「エルフが死んでしまって悲しいから」や「『大好きだよ。』って言ってあげなかったから」「もう『大好きだよ』って言ってあげられないから」という意見が出ました。

 

 

逆に、「一番世話をしていたぼくはなぜ泣いていないのかな。」と聞いてみました。すると、「『大好きだよ。』って毎晩言ってあげたから」「エルフはわかってくれたと思っているから」という意見が出ました。

 

 

立場を決めて話し合いを行ったので、最後には解を示しました。Aの子たちの、「エルフが死んでしまって一番悲しいのはぼく」を大いに認めた上で、答えはBです。なぜなら、「いくらか気持ちが楽だった」は、ぼくは「エルフ」にできることは全部できたから、家族より後悔の気持ちがないためだと言えるからです。これは決してエルフが死んでしまって悲しくないということではありません。

「死んでしまった後で『大好きだよ。』と伝えようとしても、聞いてもらえないよね。だから死んでしまう前に『大好きだよ。』をたくさん言ってエルフに聞いてもらえたぼくは「いくらか気持ちが楽」なんだね。」と伝えて授業を終えました。

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか。今回「心情曲線」にして立場を決めて話し合うことで、子どもたちは教科書の中身をよく読み、自分の思いを込めた読み込みができるようになったのではないかと感じています。感想を交流しあうことも大切ですが、深い読み取りのために、教科書を元に話し合うことも大切な技能です。どんな風に授業を進めようか悩んでいる方にとって、今回の授業の流れを叩き台にしていただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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