5年生の社会では、「環境をともに守る」の学習があります。皆さんはどのように学習を進めていますか。そこで今回は、定着させなければならない「環境をともに守る」の知識を、謎解きでやってみるという授業の提案です。これから授業を行う方の叩き台にしていただけたらと思います。
「5年生の社会「森林とともに生きる」の授業の流れは謎解きで!実際に行った授業を紹介します!」
の続きになります。
目次
「環境をともに守る」の謎を解き明かせ その1
今回は、「公害と北九州市の対策」についての謎解きです。
クイズ①は、
「北九州市で70年前に起きた問題の名前とその内容とは。また特に被害の大きかった4つの問題の名前とは。」
70年前に北九州市で起きた問題は、
「公害」

です。その内容は、
「製鉄を中心とした工業生産が盛んになるにつれて、工場から出る煙や排水も多くなり、ぜんそくで苦しむ人やいやな臭いに悩む人が増えた」

です。公害の中で特に被害の大きかった4つの問題とは、
「熊本の水俣病」
「新潟の水俣病」
「富山のイタイイタイ病」
「三重の四日市ぜんそく」
です。
クイズ②は、
「①の問題を解決するために、北九州市の人々が行った行動とは。市民・市・工場それぞれ2つ答えよ。」
です。市民は、
「白い布をほして汚れ具合を調べる」
や
「水を張ったバケツを外に出して、ばいじんのふる量を記録した」

これらの調査をもとに、
「市民への発表会を開いた」
「市長にあって公害をなくすよう訴えた」
「工場の人たちとも公害をなくすための話し合いを行った」
などの
「公害をなくすための運動を行った」
です。この中から2つになります。

市は、
「『公害防止条例』をつくり、住民の健康を守ることに努めた」
「空気の汚れを観測する施設をつくった」
「海の汚れを取り除く作業を行った」
「家庭から出る汚れた水をそのまま海に流さないよう、下水道を整備した」
です。この中から2つになります。

工場は、
「ばいじんや有害な廃水を出さない機械や施設を設ける」
「公害を発生させない生産をめざす」
の2つです。

クイズ③は、
「洞海湾の水質はどのように変化したか。また、変化の原因とは。北九州市が、過去の問題を今の人々に伝える取り組み2つとは。」
です。
洞海湾の水質は、
「きれいになった=CODが大幅に下がった」
です。

原因は、
「1970年に市が『公害防止条例』をつくったから」
です。
北九州市が、過去の問題を今の人々に伝える取り組み2つの1つ目は、
「『環境ミュージアム』において公害の歴史を伝える」
です。

2つ目は、
「公害を乗り越えた貴重な体験と技術を外国の人たちに伝え、世界全体の環境保全に役立ててもらう」
です。

どの問題から取り掛かっても構いません。また、25分と時間を区切って行うことも同じです。時間が終わったら、子どもたちに発表してもらいながら解説をつけて答え合わせをしていきます。答えとイラストをノートにまとめて授業は完了です。
「環境をともに守る」の謎を解き明かせ その2
今回は、「環境問題のこれから」についての謎解きです。
クイズ①は、
「北九州市の過去の問題を起こさないための伝える取り組み以外の2つとは。過去と今の目指している社会の違いとは」
です。北九州市の過去の問題を起こさないための伝える取り組み以外の2つの1つ目は、
「空気や水質の汚れの観測」
です。

2つ目は、
「北九州エコタウン事業」
です。

過去と今の目指している社会の違いは、
過去の社会は、
「物を大量に生産して消費し、ごみとして捨てる社会」
で、
今の社会は、
「ごみをできるだけ出さずに、資源を有効に使う社会」
です。
クイズ②は、
「北九州市の人々が環境を守るために今も行っていること3つとは。それらを行う理由2つとは。」
です。
北九州市の人々が環境を守るために行っていること3つは、
「曽根干潟クリーン作戦」

「ほたるのふるさとづくり」

「北九州エコライフステージ」

の3つです。
それらを行う理由の1つ目は、
「環境問題に力を入れている市の支えがある」から
です。
それらを行う理由の2つ目は、
「住民が立ち上がって乗り越えた公害の歴史を知っているので、『環境は自分たちで守らないといけない』という意識をもつ人が多い」から
です。
クイズ③は、
「産業の発展と私たちが安心してくらしていくためにしてはいけないことと、大切な意識とは。人間が自然を汚すことで起こる人・自然両方の変化とは。」
です。
産業の発展と私たちが安心してくらしていくためにしてはいけないことは、
「便利で快適なくらしを求めるあまり、人間が自然を踏みにじったり、自然のしくみをゆがめたりする」
です。
産業の発展と私たちが安心してくらしていくために大切な意識は、
「わたしたち人間が自然の一部だという意識をもち、毎日のくらしや産業を見つめ直していくこと」
です。
人間が自然を汚すことで起こる人・自然両方の変化は、
1「工場から廃水が出る→海の魚に影響が出る→人間の人体に影響が出る」
2「工場からばいじんが出る→人体に入り影響が出る、動植物にばいじんが影響を与える」
などです。
こちらもどの問題から取り掛かっても構いません。また、25分と時間を区切って行うことも同じです。時間が終わったら、子どもたちに発表してもらいながら解説をつけて答え合わせをしていきます。答えとイラストをノートにまとめて授業は完了です。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回取り上げた問題は、テストで出題を確認したものばかりですので、押さえなければいけないポイントになると思います。しかし、教師が講義形式で授業を行っても子どもも飽きてしまいます。「自分から資料や教科書に向き合い、答えを見つけて正解して喜びを味わい自分の知識とする」ことができる「謎解き」の授業をぜひやってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。