小学生「木版画」、「彫刻刀を使った作品」作りはこんな方法で!実際に行った授業を紹介します!

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彫刻刀を使った木版画の授業、皆さんはどんな方法で取り組ませていますか。どんなテーマの作品にしようかとか、どんな彫り方がいいのかなど、考えることは色々あります。そこで今回は、実際に授業で行った「木版画」を紹介します。これから「木版画」を行う方のたたき台にしていただけたら幸いです。

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目次

「木版画」の準備物

 

「木版画」に取り組むにあたり、準備物を紹介します。

持ち物

「B4サイズの紙(注文する木版画のセットによってサイズは変わります)」

「彫刻刀」

「鉛筆」

「トレーシングペーパー」

「カーボン紙」

(木版画のセットを購入すると、「トレーシングペーパー」も「カーボン紙」もセットになっていると思います。)

です。

「木版画」の下書き

 

準備物が揃ったら、実際にB4の紙に下書きを描いていきます。

1 描きたいものを決める

一番最初に描きたいものを決めます。今回のテーマは、

「○○している私(輝いている自分)」

です。

下書きで大切なのは、鏡ごしの自分を見て下絵を描くことです。スラスラと描ける子も中にはいますが、ほとんどの子は構図がばらばらになってしまいます。実際に鏡を見ながらですと全身がわかりづらくて描けません。かといって想像ではもっと描けません。

そこで今回、私は先に「○○している自分」のポーズを取らせて写真に撮りました。それを白黒で印刷して一人ひとりに配りました。ポーズをとっている自分を写すことで、子どもたちの構図もしっかりしましたし、描きやすくなったようですらすら進み出しました。

下書きを書き始めるときの手順は、

1 手から描き始める

2 顔は鼻から描き始める

です。今回のテーマは、「○○している」ですので、手が主役になります。手が小さくなってしまうと絵全体が小さくなってしまいますし、彫るときに大変になってしまいます。そこでまず大きな手から描き始めます。手の大きさは顔と同じくらいの大きさになります。子どもの手で、グーにしたくらいがちょうどよい大きさになると思います。

鼻から描くのは他のサイトで紹介していますのでそちらをご覧ください。

小学生、学年スタートの図工は「ぼく・わたしの顔」で!実際に行った方法を紹介します!

 

 

次に、「下書きの絵」を「トレーシングペーパー」に写します。下書きの紙の上に「トレーシングペーパー」をかぶせてなぞります。

 

 

2 木版に絵を写す

次に木版の上に「カーボン紙」を置き、上から「トレーシングペーパー」をかぶせて絵をなぞります。この時、

1「トレーシングペーパー」は裏返しにすること

と、

 

 

2「カーボン紙」は黒色の濃い面を木の板側にすること

 

 

を伝えます。ここでどちらかを間違える子が結構出てきます。

1を間違えると、できた作品が反対向きになってしまいます。

2を間違えると、せっかくなぞっても、木の板にはほとんどなぞった線がついていない状態になり、もう一度やり直さなくてはいけません。どちらも大変です。確認しましょう。

 

 

「木版画」の彫り

木の板に下書きの絵を写し終わったら、彫りに入ります。手順と注意事項があります。

1 顔と手以外の場所を「三角刀」で線彫りする

 

 

2 彫る:彫らないの割合を決める

*彫る:彫らないの割合は3:7か4:6にするといいです。彫るのが少なくてもよくないですし、彫りすぎてもよくないです。彫らない部分をマジックで塗りつぶしたり、鉛筆で斜線を引いたりして確認します。

3 手や顔の中で、彫らないで残す線を太くする

*彫る部分が隣り合ってしまう場合にも行います。例えば頬と鼻を彫ると鼻の線がなくなってしまうので、残すためにあえて太くします。

 

 

4 太くして残した部分を削らないように「小丸刀」や「大丸刀」で彫る

*太くした線を削ってしまう子がいるので、事前に「平刀」や「切り出し」で凹みをつけてから彫るとよいことも伝えておきます。

*腕や頬は丸みがあるところなので、腕の形にそって丸くなるように彫っていきます。

 

 

5 影の部分を残す

*できる子にはアドバイスしてみましょう

 

 

6 髪の毛や眉毛、まつ毛、唇のシワを「三角刀」で細かく彫る

 

 

完成です。

刷る

 

完成した板にインクをつけて刷ります。

1 板にインクをつけます。

*インクは伸ばしてつけます。伸ばさないでつけると彫った線がつぶれてしまいます。音で判断すると、

「グニュグニュ」→完全につけすぎです。

 

 

「ビチビチ」→もう少し落としましょう。

 

 

「シーシー」→ちょうどいい量です。

 

 

2 ダンボールに板を置き、印をつけます。インクをつけていない状態で刷る紙を置き、紙の位置にも印をつけておきます。印をつけておくと、刷るときに紙が曲がらないで刷れるようになります。

 

 

 

おわりに

 

いかがだったでしょうか。ここまで紹介したことは、実際に指導を行ったことから上手くいったこと、失敗したことをまとめています。ぜひ叩き台にしていただけたらと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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