小学生の理科の中で、中・高学年の授業って大変ですよね。授業の流れや準備物、予備実験とやらなければいけないことがいっぱいです。そんな中で今回は4年生の理科「ものの温度と体積」の「空気の温度と体積」の授業について紹介します。これから授業を行おうと考えている方の叩き台にしていただけたら幸いです。
目次
「空気の温度と体積」その1 問題定義
始めに、つぶしたマヨネーズの容器を見せます。

「この容器をもとの膨らんだ形に戻すにはどうしたらいいだろう。」
と問います。
子どもたちの中からは、「力で戻す」という意見が出てきます。そこで、ふたをしておくことで力で戻しても戻らないことを確認します。次に子どもたちの中から、「あたためればいい。」という意見が出てきます。詳しく聞くと、「空気が膨らむから」という理由でした。そこで、
「空気はあたためたり、ひやしたりすると、体積は変わるのだろうか。」
と子どもたちに問います。子どもたちから出た予想は、
「あたためると体積が大きくなる。また、冷やすと体積は小さくなる」
「あたためると体積は大きくなる。冷やしても体積は変わらない」
の2つでした。
一つを選び予想を自分のノートに書かせます。
私のクラスでは、
「あたためると体積が大きくなる。また、冷やすと体積は小さくなる」が8人。
「あたためると体積は大きくなるが、冷やしても体積は変わらない」が22人でした。
実験方法は以下の通りです。
「ビーカーの中に、しゃぼんだま液を口につけた試験管を入れ、お湯を入れたり、氷水を入れたりして空気の体積の変化を見る」
です。
「空気の温度と体積」その2 空気をあたためたり、ひやしたりしたりしたあとの体積を確かめる
「空気をあたためたり、ひやしたりしたあとの体積はどうなるのか」
について予想を確かめる実験をしていきます。実験に必要なものを用意し、自分が決めた場所に実験セットを置いていきます。
(実験に必要なもの)
・ビーカー(300mlのもの)
・試験管
・しゃぼんだま液
・50〜60℃のお湯・氷
です。
実験の結果を見ます。
(結果)
「試験管の中の空気を60℃の水であたためると、しゃぼんだまが膨らんだ」
「試験管の中の空気を氷水で冷やすと、しゃぼんだまの膜が試験管の中に下がった」
でした。
この結果から、
「空気は、あたためると体積が大きくなり、冷やすと小さくなる」
ということがわかりました。
確認としてNHK for Schoolの
の動画を見て知識の定着を図りました。
「空気の温度と体積」その3 空気をあたためると、体積はどのように大きくなるのか
教科書ではここまでとなっていますが、ここでもう一つ実験を行います。丸形か三角のフラスコを用意します。ここにスポンジの栓をして50〜60℃のお湯の中にフラスコを入れます。当然スポンジの栓は「ポン」という音を立ててフラスコの口から飛び出します。これは子どもたちが楽しんで夢中になるので時間をとって、各班で一人一回ずつ行わせます。
コツは、
「フラスコの口をスポンジで強く栓しすぎないこと」
と、
「スポンジの少ししゃぼんだま液をつけてすべりやすくしておくこと」
です。また、しゃぼんだま液を使うため手が滑りやすくなっています。フラスコは机の上に置いてスポンジの栓をすることをおすすめします。
全員が終わったら、
「フラスコを反対向きにして上からあたたかい雑巾をかぶせたら、栓はどうなるのだろう。」
と質問します。予想では、「飛ぶ」18人。「飛ばない」12人でした。理由を聞くと、「飛ぶ」の意見では、「空気はあたたまると上に膨らんだから」という意見でした。
予想を確かめる実験をしていきます。
(実験に必要なもの)
・丸形フラスコ
・雑巾
・50〜60℃のお湯
・スポンジの栓
です。
実験の結果を見ます。ここは教師実験で行います。子どもたちが集中してフラスコを見つめます。数秒後、「ポン」という音とともに栓がしたに飛びました。
(結果)
「フラスコを反対向きにしてもスポンジの栓は飛ぶ」
でした。
この結果から、
「空気は、あたためると体積が大きくなる。大きくなる方向は上だけでなく、すべての方向」
ということがわかりました。
まとめ
いかがだったでしょうか。中・高学年の理科は準備に時間がかかります。そんな準備に必要な時間をこのサイトで少しでも減らせることができたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
「小学生、4年生の理科「水の温度と体積」の授業の流れはこれ!実際に行った授業を紹介します!」