皆さんは社会の「高地のくらしと低地のくらし」の授業をどのように行っていますか。今回は定着させなければならない「高地のくらしと低地のくらし」の知識を、「住むならどっち?」という主発問をもとに考えるという授業の提案です。これから授業を行う方の叩き台にしていただけたらと思います。
小学生、5年「あたたかい地域とさむい地域」の授業展開は「住むならどっち?」で!実際に行った授業を紹介します!
の続きになります。
目次
「住むならどっち?」 調べ学習
学習を始める前に、子どもたちに、
「私たちの住んでいる地域で地震が起き、生活できなくなってしまいました。移住しなければなりません。」
と話します。
「しかし住める地域は限られています。標高の高い高地か、低い低地のどちらかでしか移住できません。」
そこで子どもたちに質問します。
「住むならどちらに住みたいですか。」
しかし何も知らない状況では決められません。そこで始めの意見を決めるために、NHK for Schoolの映像を見て、映像を参考に始めの意見を決めます。
「輪中を守るしくみ ~高須輪中排水機場(はいすいきじょう)~」
映像を見て立場を決めたらまずは、教科書や資料をもとに住みたい理由、住みたくない理由を探していきます。高地のメリット・デメリットは以下の通りです。
(高地=長野県野辺山原)
メリット
・レタスの生産日本一

・酪農
・アイスキャンドル

・星空

・温泉
・雪遊び
・そば畑

・乗馬体験

・野辺山駅観光

デメリット
・土砂崩れがある

・交通の便が悪い
・電波が悪い
・雪かきが大変

(低地=岐阜県海津市及び千葉県香取市)
メリット
・レガッタ

・チューリップ

・水生植物園

・船下り

・昔から残る水路
デメリット
・洪水がある

などです。
「住むならどっち?」その2 インターネットで確認する
調べ学習が終わったら、調べた内容をより深く知るため、インターネット検索でさらに資料を探します。
検索を始める際、ただ画像や動画を見て終わってしまう子が出ないよう、最後にノートを提出するので、しっかりとノートにメモすることを伝えます。
また、5年生では自分の力で検索する力がまだ弱いため、ヒントを伝えておきます。
長野県野辺山原のヒントワード
「野辺山原 観光」「冬 気温」「東京まで 時間 料金」「電波」「雪国 苦労」
岐阜県海津市及び千葉県香取市のヒントワード
「海津市 観光」「香取市 観光」「洪水 回数 頻度」
ここで見つかった内容も意見の根拠にしていきます。
「住むならどっち?」その3 調べた資料をもとに意見交換する
教科書・資料調べが終わり、インターネットでさらに深く知ることができたら、それらの情報をもとに立場をもって話し合いをしていきます。自由に話し合いを行うとテーマが広すぎてしまうので、テーマを絞って行います。
「野辺山原 メリット」
「海津市・香取市 メリット」
「野辺山原 デメリット」
「海津市・香取市 デメリット」
の順番で話し合いを行います。○は賛成の意見、●は反対意見です。
「メリット」
(高地派)
○アイスキャンドルや綺麗な夜空の星が見られる
○おいしい乳製品やそば、高原野菜が食べられる
(低地派)
○水生植物園が見られる
○釣りが楽しめる
「デメリット」
(高地派)
○土砂崩れが起きたら危ない
●コンクリートで固める対応をしている
○交通の便が不便
●買い物ができる車が来てくれる
(低地派)
○洪水が起きたら危ない
●排水場があるから大丈夫
それぞれの立場で話し合ったので、それらの意見をもとに最後は自分の立場を決めます。私のクラスでは、22対8で低地派の方が多い結果となりました。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回取り上げた問題は、テストで出題を確認したものばかりですので、押さえなければいけないポイントになると思います。しかし、教師が講義形式で授業を行っても子どもも飽きてしまいます。「自分から資料や教科書に向き合い、証拠を見つけて話し合い自分の知識とする」ことができる「どっちに住みたい」の授業をぜひやってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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