小学生の理科の中で、中・高学年の授業って大変ですよね。授業の流れや準備物、予備実験とやらなければいけないことがいっぱいです。そんな中で今回は4年生の理科「雨水のゆくえ 流れる水」の授業について紹介します。これから授業を行おうと考えている方の叩き台にしていただけたら幸いです。
「小学生、4年生の理科「雨水のゆくえ 自然蒸発」の授業の流れはこれ!実際に行った授業を紹介します!」
の続きになります。
目次
「雨水のゆくえ 流れる水」その1 問題定義
前回、「雨水はグランドに染み込む」「雨水は空気中に出て行く=蒸発」ということを実験で確認しました。今回は、雨水は流れるのかを調べます。
「この写真を見てください。」
と子どもたちに1枚の写真を見せます。
「水たまり」と答えが返ってきます。そこで質問です。
「地面に染み込んだり、空気中に出ていくのに、なぜ水たまりができるのだろう。」
と問います。
※学習の順番を入れ替えたのはこの発問のためです。先に染み込むことや蒸発を押さえることで、水たまりができること、ならびに雨水が流れることに自然とつなげることができます。「雨水はどこへいったのだろう」からは、「染み込む」、「空気中に出て行く」は出ても、「流れた」という答えはなかなか返ってきません。
予想をノートに書かせます。子どもたちからは次のような予想が返ってきました。
「蒸発のスピードが違う」
「日陰だから」
「土が違う」
「へこみがあり、そこへ水が流れた」
の4つでした。上の3つの予想を消すために、写真はあえて、「日陰にならない」で「土が同じグランドの場所」を選びました。
「同じグランドなのに蒸発のスピードが変わるの。」
「日陰にならないところだよ。」
と言いながら予想を一つに絞っていきます。最後に「へこみがあり、そこへ水が流れた」を残し、予想をノートに書かせます。
主発問は、
「雨水はへこみに流れたのだろうか。」
です。予想をノートに書かせます。予想は、
「流れた」全員
「流れない」0人
でした。実験の方法を考えます。今回も子どもたちでも方法を考えられると思い、
「実験の方法を考えよう。」
と伝えました。出てきた実験方法は以下の通りです。
「地面のへこみがある場所を調べ、ラップをひき、水をこぼして水たまりができるか調べる」

です。今回は出てきた実験が一つでした。実験方法をノートに書かせました。書いた後、
「なぜラップを引くのか」
問いました。ここでもこれまでの学習が生きます。
「地面は水を吸収してしまうので、ラップを引いて、吸収されずに水が流れるか確認するために引きます」
と答えが返ってきました。地面に染み込むことを勉強していなければ、なぜラップを引くのかの答えが曖昧になってしまいます。このような点からも、学習の順番を変えたことが生きました。
「雨水のゆくえ」その2 雨水は流れるのかの予想を確かめる
「雨水はへこみに流れていくのだろうか」
について予想を確かめる実験をしていきます。実験に必要なものを用意し、グランドに実験セットを置いていきます。実験の結果を見ます。
(結果)
「グランドの高いところから低いところに水が流れるかどうか調べる」
→水は高いところから低いところに流れた
でした。
この結果から、
「雨水はへこみ(高いところから低いところ)に流れる」
ということがわかりました。結果を元にまとめました。
「雨水はへこみ(高いところから低いところ)に流れ込む。流れ込んだ水がたまり、水たまりができる」
です。
確認としてNHK for Schoolの
「水が流れるのは…」
の動画を見て知識の定着を図りました。
まとめ
いかがだったでしょうか。中・高学年の理科は準備に時間がかかります。そんな準備に必要な時間をこのサイトで少しでも減らせることができたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。