小学生の理科の中で、中・高学年の授業って大変ですよね。授業の流れや準備物、予備実験とやらなければいけないことがいっぱいです。そんな中で今回は4年生の理科「電池のはたらき」の授業について紹介します。これから授業を行おうと考えている方の叩き台にしていただけたら幸いです。
「小学生、4年生の理科「電池のはたらき」の授業の流れはこれ!実際に行った授業を紹介します!」
の続きになります。
目次
「電池のはたらき」その1 問題定義
前回、電池の向きが電気の流れる向きにどのように関係するのかを調べました。
「車をさらに速く走らせるためにはどうしたらいいのだろう」
と問いました。子どもたちからは、
「電池を2個にすればいい。」
という意見が返ってきました。そこで、
「2個をどのように並べればいいのだろう」と問いました。すると、
「縦に2個並べる」

という意見と、
「横に2個並べる」

という意見が出ました。
「電池のはたらき」その2 2個の電池の並べ方で速く走る並べ方を知る
「2個の電池の並べ方」について2つの意見が出ました。そこで主発問は、
「どちらの電池の並べ方にすれば速く走るのだろう」
です。ノートに「予想」を書かせます。出てきた「予想」は、
A「電池を縦に二つ並べる回路(直列回路)」
B「電池を横に二つ並べる回路(並列回路)」
でした。ここで言葉(直列回路と並列回路)を一緒に教えてしまいます。
自分の予想に当たるところで挙手してもらいました。
A:4人B26人
でした。
「実験」の方法を確認します。
1 電池、豆電球、検流計、スイッチを回路につなぎます
※ここが一番時間がかかります。生活班の中で全員まず並列回路をつくります。(遊んでしまう子をなくすため)その後、回路に長けている子には直列回路をつくってもらいます。(全員で行うと時間がかかりすぎてしまうため)この学習の最後に全員「直列」回路をつくる時間をつくります。今回は実験の時間を優先して一人だけ「直列」の回路にします。
2 検流計の使い方を教えます。
※針の示す数値が電流の大きさになること
※電池に直接つないではいけないこと
※5Aからスイッチを入れること
3 2つの回路にをつなぐことで、検流計のはりがどの数字を示すかや、豆電球の明るさの違いを見る
※実験中に生活班の中の一人は、電池1つの回路をつくり、豆電球の明かりをつけておきます。後で電池二つの回路とつないだ際比較するためです。
※ノートに2つの回路を書く際には、絵ではなく、「回路図」で書くようにします。
実験の結果は以下の通りです。
「横に2つの電池を並べた場合は電球1つのときとアンペアと明るさは変わらなかった」

「縦に2つの電池を並べた場合は、電球1つのときび比べ、アンペアは倍になり、明るさはとても明るくなった」

これらの結果から、
「直列回路にすると、電流の大きさは倍になる。並列回路にすると、電池のもちが1このときに比べ倍になる」
ということがわかりました。まとめをノートに書かせました。
確認としてNHK for Schoolの
の動画を見て知識の定着を図りました。
「電池のはたらき」その3 確認
「直列回路」と「並列回路」の仕組みを理解できたら、実際に回路をつくって車を走らせる時間を取ります。1時間自分で「直列回路」と「並列回路」を組み換えながら遊ばせます。
この遊びの時間はとても貴重な時間です。なぜなら、ノートに書いた回路も、実際に組んでみるとなると全く違う学習になるからです。子どもたちは思った以上に自分で回路を組むことができません。特に女の子はできません。直列回路の電池を違う向きで並べたり、そもそも回路(輪)になっていなかったりします。そのため、回路ができない子を中心に、
「これが直列回路だよ。」
と教えてあげながら実際に一緒に組んであげます。ここでわかっていない子を見つけて、「言葉」と「回路の組み方」を教える時間にします。

まとめ
いかがだったでしょうか。中・高学年の理科は準備に時間がかかります。そんな準備に必要な時間をこのサイトで少しでも減らせることができたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。