小学校では1年生から6年生まで毎年説明文や物語文を学習します。全て指導の内容を工夫していくのも大変です。そこで今回はどんな物語文や説明文でも行える「要約」の授業について紹介します。説明文や物語文で子どもに力をつける方法はないか考えている方の叩き台になれば幸いです。
目次
要約はこう指導しよう!その1 お話の「キーワード」を見つける
要約の指導のルールを説明する前に、「要約」とは何かを説明します。
「要約」とは、
「文章の要点を短くして、わかりやすく表すこと」
になります。小学校の国語の授業では、説明文や物語文を、短くしてわかりやすく表すことが学習になります。
その「要約」を行う上でまず行うことは、「キーワード」を見つけることです。ここでは「桃太郎」のお話をもとに要約をしていきます。
「桃太郎」のお話でのキーワードは、「登場人物」や「出来事」になります。これらの言葉を確認することから始めます。
「桃太郎」「犬」「猿」「きじ」「おじいさん」「おばあさん」「鬼」「鬼退治」
です。
この中で、必要のないキーワードは省きます。今回のキーワードの中では、「おじいさん」「おばあさん」はお話には出てきますが、重要人物にはなりません。よってここでは「おじいさん」「おばあさん」は省くことになります。
次に一番重要なキーワードを見つけます。この中で一番重要なキーワードは、
「桃太郎」
です。
要約はこう指導しよう! その2 お話を「20字以内で要約する」&採点する
キーワードが出揃ったら次は実際に「要約」をしていきます。長いお話を短くまとめなければ意味がないので、「要約」は「句読点を含めて20字以内でまとめる」ようにしていきます。また、重要なキーワードは要約文の一番最後にくるようにします。今回の要約はこうなります。
「犬猿きじをつれて、鬼退治をした桃太郎。(19文字)」
となります。
これをノートに書かせた後黒板に書かせます。
⑴「キーワードが入っているか(犬、猿、きじ、鬼退治、桃太郎)」
⑵「一番大事なキーワードが一番最後にきているか(最後が〜桃太郎。)」
⑶「20字以内でまとめられているか」
を元に採点していきます。書いた要約文に直接黒板に採点結果を記入していきます。全てできて10点です。ただし、どれか一つでも抜けてれば0点になってしまいます。
要約はこう指導しよう! その3 応用編
それでは、実際に要約を行った授業を紹介していきます。まずは3年生の「言葉で遊ぼう」です。
始めに「キーワード」を見つけます。「言葉で遊ぼう」のキーワードは、
「言葉遊び」「言葉だけ」「楽しい時間「過ごせる」
です。その中で一番大切なキーワードは、「言葉遊び」です。キーワードを含めて、20字以内で要約します。出てきた要約はこんな感じです。
「言葉だけで楽しい時間が過ごせる言葉遊び。(20字)」
次に4年生の「大きな力を出す」です。まずはキーワードを見つけます。
「大きな力を出す」のキーワードは、
「呼吸」「大きな力を出す」「意識(考えて)」
です。その中でも一番大切なキーワードは、「呼吸」になります。キーワードを含めて20字以内でまとめていきます。今回子どもたちから出てきた要約はこんな感じです。
「大きな力を出すために意識するとよい呼吸。(20字)」
「意識するともっと大きな力を出せる呼吸。(19字)」
「より大きな力を出すために大切な呼吸。(18字)」
「大きな力を出すのに必要な、意識した呼吸。(20字)」
次に5年生の「見立てる」です。まずはキーワードを見つけます。
「見立てる」のキーワードは、
「見立てる」「想像力」「自然」「生活」「関わる」
です。その中でも一番大切なキーワードは、「見立てる」になります。キーワードを含めて20字以内でまとめていきます。今回子どもたちから出てきた要約はこんな感じです。
「自然や生活からの想像力による見立てる。(19字)」
次に6年生の「笑うから楽しい」です。まずはキーワードを見つけます。
「笑うから楽しい」のキーワードは、
「体と心」「体の動き」「心の動き」「密接」「関係」
です。その中でも一番大切なキーワードは、「体の動き」と「心の動き」になります。タイトルにあるように、「笑うから=体の動き」「楽しい=心の動き」とあるためです。キーワードを含めて20字以内でまとめていきます。今回子どもたちから出てきた要約はこんな感じです。
「密接に関係する体の動きと心の動き。(17字)」
「体の動きと密接に関係している心の動き。(19字)」
まとめ
いかがだったでしょうか。要約は国語のお話文の指導ならばどれでも使うことができます。また、国語の力をつける点においてもとても有効です。国語の指導で何かいい方法はないか考えていた方の叩き台になれば幸いです。今回の指導については、以下の書籍を参考に実践しています。興味のある方はこちらもご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。