小学生、特別支援学級の知的学級の「お金」の学習はこれ!実際に行った授業を紹介します!

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特別支援学級の知的学級の子たちが学習しておきたい内容に「お金の学習」があります。今後「お金」を使う場面も出てくると思うので、「お金の種類」や「使い方」は知っておきたいことですね。皆さんはどのように授業を進めていますか。そこで今回は「知的学級」の「お金」の学習の授業で行った流れを紹介します。今後授業を行おうと考えている方の参考になれば幸いです。

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目次

特別支援学級の知的学級における「お金」の授業 その1 「お金の種類を知る」

 

「お金」の学習の第1時は、「お金の種類を知る」という学習です。知的学級の子たちは、「お金の種類」も知らない子が多くいます。2円玉とか300円玉とか平気で答えます。そこでまずはお金の種類から学習していきます。スタートは「1円」からです。「1円玉」の絵を黒板に貼り、いくらか聞いていきます。

 

 

続いて「5円玉」の絵を黒板に貼ります。これも「いくらですか。」と問います。「5円」と教えます。

 

 

この「5円玉」は「1円玉」が5枚分であることを絵を黒板に貼ることで説明していきます。説明としては、

「1円玉を5枚もって歩くのと、5円玉を1枚もって歩くのではどちらが簡単ですか。」

と問います。

「5円玉1枚の方が楽。」

と答えが出ます。

「1枚だけもって歩く方が簡単だから5円玉ができたんだね。」「5円=1円が5枚」

と説明します。次に「10円玉」の絵を黒板に貼り、「いくらですか。」と聞きます。

「10円」と答えがきます。

 

 

ここでも10円玉の説明をします。

「1円玉が10枚集まると10円になります。」ここでも、

「1円玉10枚もって歩くのと、10円玉1枚もって歩くのとどっちが簡単ですか。」

と問います。「10円玉1枚。」と返ってきます。10円玉の意味もこのように便利さで教えていきます。「10円玉=1円玉10枚」(5円玉2枚は理解状況によって教えます。)

同じようにして50円玉「50円玉=10円玉5枚」、

 

 

100円玉「100円玉=10円玉10枚」

 

 

500円玉「500円玉=100円玉5枚」

 

 

、1000円札「1000円札=100円玉10枚」を説明していきます。

 

 

 

特別支援学級の知的学級における「お金」の授業 その2 「組み合わせた金額を知る」「組み合わせた金額を出す」

 

続いて、「組み合わせた金額」について学習していきます。「組み合わせた金額」とは、「1円玉3枚と5円玉1枚と10円玉2枚では」という問題に答えることです。

 

 

 

「答え28円」

この問題を小さな金額「1円玉3枚」からだんだん大きな金額「1000円札1枚と500円玉1枚と100円玉3枚など」になるように出題していきます。

この時に、「位取り表」を用意しておきます。

 

位取り表

位の枠にその位にあったお金を入れていきます。例えば、368円なら、「一の位」に「5円玉1枚」と「1円玉3枚」。「十の位」に「50円玉1枚」と「10円玉3枚」。「百の位」に「100円玉3枚」といった感じです。

 

 

位をそろえてお金を移す作業を繰り返すことで、硬貨の種類を覚え、金額も計算しやすくなります。また、後に行う「お店屋さん」でも、支払いやおつりの際にお金を払う作業がしやすくなります。常に「位取り表」をもとにお金を数える習慣を着けていきます。

次に、「組み合わせた金額を出す」授業を行います。下のようなワークシートを用意します。

 

 

○の中には硬貨を入れていきます。例えば670円なら、1つの○の中に「500」を書きます。続いて1つとなりの○に「100」を書きます。その時、百の位に線を引いておくとわかりやすくなります。その隣の○に「50」を書きます。続いてその隣の○に「10」を、その隣の○に「10」を書きます。十の位の終わりに線を引き、一の位はないので書かないことを確認します。

 

 

ワークシート2

 

というように、自分がどの種類の硬貨を何枚出すのか考えて出す学習になります。ここでよく出てくる間違えは、「20円玉」や「300円玉」などの存在しない硬貨を作ってしまうことです。書いてしまっていた場合は、もう一度「お金の種類」に戻り、存在するお金の種類の中で組み合わせてその金額を出すことを指導します。

特別支援学級の知的学級における「お金」の授業 その3 「お店屋さんを開こう」

 

「お金の種類」を知り、「お金の出し方」を学習したら、最後は「お店屋さんを開こう」です。実際にお店を開き、お金を支払ったり、おつりを渡したりしながらお金の理解を深めていきます。

(準備物)

・お金(ダイソーにセットが売っています)

 

 

・商品(絵を描く、あるいはインターネットでダウンロードする)

 

 

 

・計算機(今回は計算がメインではないため、計算機を使って計算する)

 

 

・ワークシート(お店の人が計算しやすいよう、もらったお金、値段、おつりを位に分けて記録できるワークシートにする)

 

ワークシート

 

 

・位取りキャッシュトレー(位取り表がセットになったトレー。お金を入れる際に、位ごとわけて入れていく)

 

 

準備が整ったら「お店屋さん」スタートです。私のクラスは8人のクラスでしたので、4人ずつ「前半」と「後半」にわけて行いました。

「お店」は全部で3回ほど行いました。1回目は「1000円未満」の値段にすること。2回目は「1000円台」の値段にすること。3回目は「一度に複数の買い物をすること」です。ただ、1回目はもっと小さくして、「100円台」から始めてもいいかもしれません。学習の状況に応じて変えていくほうがよいと思います。

ここでつまずいてしまうのは、やはり「お金の種類」をしっかりと理解していない子でした。つまずいてしまう子には、お金の種類を示した「アドバイスカード」を用意し、それを見せながらお金の種類を確認していきました。位取りキャッシュトレーに位ごとわけてお金を入れることで、どのお金をどこに入れるといくらになるのかが、少し理解できたようでした。

また、その「『値段』にあったお金を出す」というのも大きな課題でした。150円の買い物をするのに300円を出してしまう子がいました。一度に出させると多すぎるお金を出してしまうので、硬貨は1枚ずつ出していくことが必要です。

 

 

特別支援学級の知的学級における「お金」の授業 その4 「実際のお店に行き買い物してみよう」

 

学習の最後は、「単元のまとめ」として実際に近所のお店に買い物に行くことにしました。金額は「300円」です。駄菓子屋さんに行き、「300円」以内で収まるよう考えて買い物をしました。準備物は「計算機」です。授業でも「計算機」をもとに計算してきたので、今回もお店で「計算機」を使いながら買い物をしていきます。

困った場面は、「300円」に近づいてくる場面です。あと1つ買い物すればで「300円」という場面で、その1つの商品の値段を足して計算し「300円」を超えてしまうと、元々いくらまで買っていたのか忘れてしまいます。すると、またかごの中の1つ目の商品から計算のやり直しになってしまいます。教員が近くにいてあげられるのなら、最後の値段を足す前の値段を覚えておいてあげるといいと思います。

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか。「知的学級」の「お金」の学習を段階を追って学習していく方法を紹介しました。「お金」は大人になってからも必ず必要になるものです。小学生のうちから少しずつ指導できると今後につながっていきます。今回の指導が、今後「お金」の指導をしていこうと考えている方の参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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