皆さんは社会の「水産業のさかんな地域」の授業をどのように行っていますか。今回は定着させなければならない「水産業のさかんな地域」の知識を、謎解きでやってみるという授業の提案です。これから授業を行う方の叩き台にしていただけたらと思います。
「小学生、5年生の社会「水産業のさかんな地域」の授業のスタートはこれ!実際に行った授業を紹介します!」
の続きになります。
目次
「水産業のさかんな地域」の謎を解き明かせ その2 さんまはどんな風に日本各地へ届くのか
今回は、「さんまが漁港についてから、どんな風に日本各地へ届くのか」についての謎解きです。
クイズ①は、
「さんまの値段と漁師の利益はどのように決まるか。また、さんまの箱詰めで大切なことを2つ答えよ」
です。
1つ目の答えは、
「せりで、水産物の状態や水揚げ量を見て決まる」=値段
「せりでつけられた値段と、水あげ量」=売り上げ
利益はそれに加え、
「その売上から漁船の燃料代や道具の代金、漁にかかるさまざまな費用を支払う」
です。
箱詰めで大切なことの1つ目の答えは、「空気や人の手になるべくふれないようにする」です。
箱詰めで大切なことの2つ目の答えは、「紫外線で殺菌した冷たい海水とともに箱詰めする」です。

クイズ②は、
「新鮮なままさんまを運ぶために輸送で大切なこととは。また、そのための方法を2つ答えよ」
です。
さんまを新鮮なまま輸送するために大切にしていることは、
「温度を一定に保ちまがら、決められた時間までに確実に運ぶ」
です。そのための方法は、
「道路の込み具合や、天候の情報をもとに、どの道路を走るか考えていること」
です。
さんまを新鮮なまま輸送するための2つ目の方法は、
「目的地が遠い場合は安くて安全なフェリーを使う。」
「急ぐ場合は航空機による輸送をする」
です。上の3つのうち、2つが書けていれば正解です。
「環境や安全を考え、排出ガスが少なく、速度制限をするトラックを使っている」
は「さんまを新鮮なまま輸送するための工夫ではない」ので省きます。
クイズ③は、
「ぶりの養殖で消費者に安心して食べてもらうための仕組みの名前とその内容とは。また、海をよごさないようにするための方法とは」
です。
安心して食べてもらうための仕組みは、
「トレーサビリティ」
です。
「えさの成分や育成の様子を記録しておき、いつでも確認できるようにする仕組み」
のことです。
2つ目の「養殖における海を汚さないための方法」とは、
「えさのやりすぎで食べ残しが出ないように、ぶりの大きさや動きの活発さを見て、えさの回数や量を調節する」
です。
「えさをやりすぎて食べ残しがでると、海が汚れ、病気が広がったり、赤潮の発生につながったりするから」
です。
どの問題から取り掛かっても構いません。また、25分と時間を区切って行うことも同じです。時間が終わったら、子どもたちに発表してもらいながら解説をつけて答え合わせをしていきます。答えとイラストをノートにまとめて授業は完了です。
また、この時間が終わったら一度まとめを行います。知識を定着させるためです。ノートの見開きにこれまでの内容をすべて絵と字で書くようにします。
「水産業のさかんな地域」の謎を解き明かせ その3 「世界の中の日本の漁業」
続いて、「世界の中の日本の漁業」についての謎解きです。
クイズ①は、
「北方領土の周りで漁をしている人々の現状2つと願いとは。また、自国の水産資源を守るための取り決めとは。」
です。現状は、
「北方領土では、『さけ』『たら』『ます』などの海洋資源が豊かだが、自由に漁ができない」
「ロシアに協力金を払って漁をしているが、量は制限されているし、その量も年によって大きく違う」
です。
願いは、
「祖先の土地を返してもらい、海や資源を元通りにしたい」
です。

自国の水産資源を守るための取り決めとは、「200海里=排他的経済水域」です。「自国の水産資源を守るための海の法律」になります。
クイズ②は、
「さんまをふくめ、日本の漁業生産量と消費量は現在どのように変化しているか。生産量の変化の原因とは。2つ答えよ。」
です。
日本の現在の漁業生産量は、
「減っている」
です。
さらに、現在の消費量も、
「減っている」
です。
生産量が減ってしまった原因1つ目は、
「海水温などの環境の変化によって、魚のとれる場所や量が大きく変わってしまう」
です。
生産量が減ってしまった原因2つ目は、
「遠くの海で外国の大型漁船が行っているさんま漁が、日本近海でとれるさんまの量に影響をもたらす」
です。
クイズ③は、
「養殖業の生産量は現在どのように変化しているか。養殖業を行う上で気をつけなければならないことを2つ答えよ。」
です。
養殖業の現在の生産量は、
「これまでとほぼ変わらない」
です。
気をつけなければならないことは、
「稚魚や、えさとなる小魚は自然の海からとってくるものが多いため、水産資源の減少につながるため、とりすぎに注意すること」
です。
気をつけなければならないことの2つ目は、
「養殖施設の建設や、えさの食べ残しによって、海の環境をこわすことがないように注意すること」
です。
これもどの問題から取り掛かっても構いません。また、25分と時間を区切って行うことも同じです。時間が終わったら、子どもたちに発表してもらいながら解説をつけて答え合わせをしていきます。答えとイラストをノートにまとめて授業は完了です。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回取り上げた問題は、テストで出題を確認したものばかりですので、押さえなければいけないポイントになると思います。しかし、教師が講義形式で授業を行っても子どもも飽きてしまいます。「自分から資料や教科書に向き合い、答えを見つけて正解して喜びを味わい自分の知識とする」ことができる「謎解き」の授業をぜひやってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。