4年生の社会では、「水はどこから」の学習があります。皆さんはどのように学習を進めていますか。そこで今回は、「水はどこから」で、実際に行った授業の流れを紹介します。これから授業を行おうと考えている方の参考になれば幸いです。
目次
「水はどこから」の学習スタートは「地球上の水」で問う
学習のスタートはやはり興味を惹きつける問題が必要です。そこでこんな写真の提示からスタートします。

「これは何をしている写真かわかりますか。」
と子どもたちに問います。考えを発表させます。答えは、
「水汲み」
の写真です。生活に使うための水を、こんな泥水から汲んでいる写真です。子どもたちから驚きの声が上がります。
続いてこんな質問をします。
「なぜこんな汚れた水を汲んでいるのでしょうか。」
「水がない」「きれいにする設備がない」などの意見が出ます。
続いてこんな質問をします。
「地球は『水の惑星』と言われ、70%は水と言われています。それなのになぜ水が足りないのでしょう。」
と子どもたちに問います。
「水はあってもきれいにできないから」「水があるところとないところがあるから」という意見が出ました。正解は、
「『水の惑星』であってもそのほとんどの97%は『海水』で飲めません。残りの3%のうちの2.2%は氷山や水蒸気です。そのため、私たちが飲める水は全体の0.8%しかないからです。」
と説明します。つまりたった0.8%の水を、12億人で利用しているのです。その0.8%の中でも、雨が多く降る場所と少ない場所があります。結果、「汚い水」を飲まないといけない人たちがいるのです。
「ここまでの情報をもとに、思ったことや、わかったこと、知りたいことをノートに書きましょう」
と問います。考えをノートに書かせます。
「たった0.8%しか飲める水がないなんてびっくりした」
「私たちの水はどのくらいあるのだろう」
「私たちは恵まれている。無駄に使っているかもしれない」
と様々な意見が出てきました。
「それぞれの知りたいことを確かめて行こう」と声をかけ、学習を進めていくことにしました。
「水はどこから」の学習その2 「学校での水の使用量を調べよう」
質問をします。
「私たちの水の使い方は大丈夫?」
と問います。「大丈夫。」という意見と、「よくない。」「無駄にしているから。」という意見が出ます。そこで、
「水を無駄にしているのかどうか学校の水を調べよう。どうやって調べたらいいだろう」
と発問します。「水道の数を数える」というアイデアが出てきました。しかし水道の数を数えても量にはたどりつけません。そこで教師からこんな提案をしてみました。
「手を洗ってみて、一人あたりどのくらい水を使うのか調べよう。その量に学校全体の人数をかければ、使っている水の量がわかるね。」
早速手洗いをして使用する水の量を調べていきます。2リットルのペットボトルに水を入れ、手を洗うときに使います。残った量で使った水の量を調べます。どの子も2リットルでは洗いきれないことを実感していました。
「手洗い」だけでなく、「トイレ」の水の量も含め、学校の水道の使用量をもとに単純計算すると、一人1日75リットル使っている計算になります。
ちなみに、私の学校では、1日で「10、000円」、1ヶ月で「30万円」。1年で「300万円」の水道代がかかっています。
と子どもたちに伝えます。子どもたちは自分たちの使っている水の量を実感していました。水調べの結果をクラスでまとめました。
(気づいたこと)
・一人で75リットルは使いすぎだと思った。
・手を洗うとき、ペットボトルよりもっと水を使っていると思う。
・お風呂や食事で使う水を入れたらどのくらいになるのだろう。
などが出てきました。
これだけの使っている水のことを考えると、
「これだけの水がどこにあるのだろう。」や
「使った水はどこへいくのだろう。」
という疑問を子どもたちに問いかけ、水の行方を追うことにしました。
「水はどこから」の学習その3 「水の行方を見学で調べる」
学校での水の使用量を調べたところで、家庭での水の使用量についても調べ学習をしました。
(1日の生活水の使用割合)
・トイレ 60リットル
・お風呂 200リットル
・炊事 50リットル
・洗濯 100リットル
どれも数字にしてみると驚く量です。これだけの量の水をどこから手に入れているのか調べるため、浄水場に見学に行きました。また、使ったあとの水についても調べるため、浄化センターへも見学に行きました。
まとめ
いかがだったでしょうか。4年生の社会の「水はどこから」の学習の流れを紹介しました。地球の水の量と飲める水の割合を知ることから学習に入ることで、意欲をもって学ぶことができたと感じています。この後「「森林の役割」について学んでいきます。今後授業を行おうと考えている方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。