4年生の社会では、「ごみはどこへ」の学習があります。皆さんはどのように学習を進めていますか。そこで今回は、「ごみはどこへ」で、実際に行った授業の流れを紹介します。これから授業を行おうと考えている方の参考になれば幸いです。
目次
「ごみはどこへ」の学習スタートは「日本のごみはどのくらい」で問う
学習のスタートはやはり興味を惹きつける問題が必要です。そこでこんな写真の提示からスタートします。

「これはいつの時代のどこの国の写真かわかりますか。」
と子どもたちに問います。考えを発表させます。答えは、
2011年の「イタリア」の「ナポリ」
の写真です。(現在はこんなことはないそうですが以前は公務員がストライキを行っていたためゴミの回収が行われませんでした。)こんなゴミだらけの町が「ヨーロッパ」にあることに子たちは驚きます。
続いてこんな質問をします。
「今の日本の町はどんな様子ですか。」
「きれいな町」「少し汚い」などの意見が出ます。
続いてこんな質問をします。
「今の日本のゴミの量は世界でどのくらいなのでしょうか。」」
と子どもたちに問います。ノートに予想を書かせます。書かせた意見を発表させます。(ちなみにイタリアは7位です。2017年)
「20位」「45位」
と様々な意見がでます。正解を発表します。正解は、「世界第3位」です。ここで驚く子が出てきます。

「世界の都市廃棄物(ゴミ)排出量 国別ランキング・推移」より
続いて、
「ここまでの情報をもとに、思ったことや、わかったこと、知りたいことをノートに書きましょう」
と問います。考えをノートに書かせます。
「日本が世界で3位のごみを出しているのを知っておどろいた」
「どうやってそんなたくさんのごみを片付けているのか知りたい」
「そんな多くのごみがどこへ行くのか知りたい」
と様々な意見が出てきました。
「それぞれの知りたいことを確かめて行こう」と声をかけ、学習を進めていくことにしました。
「ごみはどこへ」の学習その2 「家庭でのゴミを調べよう」
早速ゴミ調べをしていきます。まずは家庭でのゴミ調べからです。
「このクラスでは家庭でどんなゴミがどのくらい出ているのか調べてみましょう。」
と子どもたちに伝えます。1週間家庭で出たゴミの種類とゴミの量を調べます。1週間後、ゴミ調べの結果をクラスでまとめました。
(気づいたこと)
・1週間で大きなゴミ袋2袋のゴミが出た。すごい量だった。
・紙くずやほこりなどはゴミ袋に入れたが、ペットボトルや缶などは分けていた。
・生ごみが毎日たくさん出ていた。
などが出てきました。1週間のゴミ袋の数はクラス全員(30人)の数を合計すると、100袋以上になりました。学校全員(25クラス)で換算すると、単純計算で2500袋になります。子どもたちは驚いていました。また、ここで「分別」についても説明しました。
これだけのゴミがあるのに、町にはゴミがあふれていないことを考えると、
「どうやら誰かが片付けてくれているらしい。」
「いったい誰がやってくれているのだろう。」
という疑問を子どもたちに問いかけ、ゴミの行方を追うことにしました。
「ごみはどこへ」の学習その3 「ゴミの行方を見学で調べる」
1週間でクラスで100袋以上も出しているゴミ袋、その行方を追ってみました。まずは地域の「ゴミステーション」です。地域のゴミ回収の日に見学に行くと、あふれそうなほどたくさんのゴミ袋がありました。回収の時間も調べていたので、「パッカー車」で回収している様子も見ることができました。目の前にあったゴミ袋がパッカー車にすべて入ってしまう様子を見て、驚く子どもたちの姿がありました。
この後、「社会科見学」で「清掃工場」に行きます。「ゴミステーション」で集められたゴミがその後集められ、燃やされ、どのような形に変わるのか確認をしにいきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。4年生の社会の「ゴミはどこへ」の学習の流れを紹介しました。日本を「イタリア」の「ナポリ」と比べることで、「きれいな町なのは当たり前ではなく、清掃工場の方の働きや、各家庭の努力によって成り立っている」ことを意欲をもって学ぶことができたと感じています。今後授業を行おうと考えている方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。