小学生、4年生「ウナギのなぞを追って」の話し合いはこれ!実際に行った発問を紹介します!

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小学校4年生の説明文の中に、「ウナギのなぞを追って」があります。皆さんはどのように授業を進めていますか。今回は「ウナギのなぞを追って」を「『問い』を見つけ『答え』を探す話し合い」で行った授業を紹介していきます。これから授業を行おうと考えている方の叩き台にしていただけたらと思います。

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目次

「ウナギのなぞを追って」の授業展開その1 「問い」を見つける

説明文では、「問い」の段落を見つけ、その「答え」の段落を見つけることで授業を進めて行く方が読む力が高まります。そこで音読が終わり、段落をふったら、子どもたちにこんな発問をします。

「この説明文の問いの段落はどこですか。」

ノートに、「ここが『問い』の段落だ」と思う段落の番号を書かせ、その理由を書かせます。

 

 

「問い」の段落で最後に選ばれた段落は、1段落2段落です。それまでに選ばれた段落は、話し合いで無くしていきました。

1段落を考えた子たちは、「『ウナギがどんな一生を送る生き物なのか。』という文章が、読んでいる人に興味をもたせるような文章になっている」という意見が出ました。

また、2段落を考えた子たちは、「『なぜ、はるか南の海にまで調査にくるのか。』という文章が、問いになっている」という意見が出ました。

 

 

どちらも、「どんな」や「なぜ」、「文末の『か』」と問いの文章の形をとっています。そのため本文の内容をもとに判断していきます。この説明文は、ウナギの卵を追いかけてこの海にたどり着いたことを紹介しています。広い海の中でも、この南の海になった理由が書かれています。一方、「ウナギがどんな一生を送るのか」については、ほとんど書かれていません。卵から幼魚までの間だけで「ウナギの一生」を語ることはできないからです。(もし一生について語るのなら、成魚になりうな重になるまで書かなければなりません)。

こう考えると2段落のように思えますが、13段落を見ると、「なぜこんな遠くまで卵を産みにやって来るのか」「広い海の中でどうやってオスとメスは出会うことができるのか」とウナギの成長過程についてのお話が書いてあります。つまりこの文章は、「ウナギの一生の中でも、今回は『ウナギの卵』について紹介した文章」ということになります。本当は一生について書きたいけれど、ページの問題か、まだ見つかっていない謎が多いからかすべて書けていないということですね。そう考えると、「なぜ、はるか南の海にまで調査にくるのか」は「今回紹介するウナギの一生の中の『ウナギの卵』について興味をもたせる問い」ということになります。

つまり1段落が「問い」の段落になります。

 

 

「ウナギの謎を追って」の授業展開その2 問いに対する答えを見つける

 

問いが見つかったら、次は答えの段落を探していきます。続いて子どもたちにこんな発問をします。

「この説明文の問いに対する答えの段落はどこですか。」

ノートに、「ここが『答え』の段落だ」と思う段落の番号を書かせ、その理由を書かせます。問いに対する答えと理由が書けたら、自分が答えだと思う段落にネームプレートを貼ります(黒板に出てきた答えの段落を書いておきます)。「答え」の段落で選ばれた段落は、

11段落、12段落、13段落です。

 

 

11段落と考えた子たちは、11段落の文章の「新月のころ」「フロントと海山の連なりが交わる地点」とあり、「卵を産む場所」の答えが出ているからという意見が出ました。

12段落と考えた子たちは、12段落の文章の「ついに、わたしたちは、ウナギが卵を産む場所にたどり着くことができたのです。」とあり、「卵を産む場所だとわかったから」という意見が出ました。

13段落と考えた子たちは、13段落の文章の「ウナギがどこで卵を産むのかという問題は、これでほぼ明らかになったといっていいでしょう。」とあり、「卵を産む場所が明らかになったから」という意見が出ました。

「ウナギの謎を追って」の授業展開その3 答えを知り知識を高める

 

答えだと思う段落の理由を発表した後は、解を示しました。

1段落の問いに対する答えは、「2つ」です。なぜなら、11段落は「新月のころ」「フロントと海山の連なりが交わる地点」と核心に迫っていますが、「卵を産むのかもしれない」と推測で終わっています。

12段落では、「ついに、わたしたちは、ウナギが卵を産む場所にたどり着くことができたのです。」とあります。11段落の予想が確信に変わったことで、「ウナギがどんな一生を送るのか」や「なぜ、はるか南の海にまで調査にくるのか」の答えになり、11段落の予想の結果を紹介している段落になります。

13段落の、「ウナギがどこで卵を産むのかという問題は、これでほぼ明らかになったといっていいでしょう。」は、11、12段落の調査の結果であって、問いに対する答えの段落にはなりません。

したがってこの説明文中の問いに対する答えは、「11、12段落」になります。

答えが2つの段落になるとまとめづらいので、

「問いに対する答えを短くまとめましょう。」

と最後の発問をしました。問いは、「ウナギがどんな一生を送る生き物なのか」の中の「なぜ、はるか南の海にまで調査にくるのか」です。問いに対するキーワードは、

「ウナギの卵」「新月のころ」「フロントと海山の連なりが交わる地点

です。キーワードを配置しながら答えをまとめると、

「新月のころ、フロントと海山の連なりが交わる地点産まれるウナギの卵」(33文字)

になります。それぞれの問いに対応しているか見てみると、

ウナギがどんな一生を送る生き物なのか」=はるか南の海で産まれるウナギの卵

なぜ、はるか南の海にまで調査にくるのか」=フロントと海山の連なりが交わる地点でウナギの一生の始まりであるウナギの卵が産まれるから

となります。

 

 

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか。今回は「ウナギのなぞを追って」の学習の、問いと答えの段落を見つける学習について紹介してきました。

また、「音読」の方法についても以下のサイトで紹介しています。こちらもぜひご覧ください。

「小学生、退屈な音読の授業や宿題を変えよう!自分から進んで読んで楽しく力がつく音読の指導法を紹介します!」

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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