小学生の中学年の砂場を使った体育、皆さんはどんな活動をさせていますか。普通に「幅跳び」もいいですが、中学年らしく楽しく「走り幅跳び」に挑戦させられたらいいですよね。そこで今回おすすめしたいのが、「ジャンプシート」です。今回はそんな「ジャンプシート」を実際に授業で行った方法を紹介します。中学年の砂場での体育の内容を考えている方の参考にしていただければと思います。
目次
「ジャンプシート」はこうやろう!その1 準備物とコート
まずは「ジャンプシート」の準備物について紹介します。「ジャンプシート」で使う道具は、(1つのコート当たり)
①ブルーシート(長さ200cm) 2枚
ブルーシートを川に見立てて跳び越します。1枚だけだと最も狭い川幅200cmです。2枚並べると最も広い400cmまで広げられるブルーシートを用意します。200cmを4等分し、近いほうからそれぞれ、赤、緑、青、黒の川幅と呼びます。それをさらに5等分し、「赤1」から「黒5」まで、10cmきざみに20通りの川幅を設定します。
踏切り位置は変えず、着地位置が200㎝から400㎝までの川幅ができることになります。

続いて、競技場です。競技場は以下のようになります。
このコースを生活班分用意します。これでコートの準備は完了です。
一つのコートに5、6人が同時にプレイすることになります。30人学級の場合、5、6コートほど用意できるといいと思います。
「ジャンプシート」はこうやろう!その2 ルール
続いてルールです。スタートしてブルーシートを飛び越します。跳び越す際、ブルシートに触れてしまったら失敗です。触れずに跳び越えたら成功になります。
競技者は自分の跳び越せそうな川幅を班のメンバーに伝えます。例えば、
「青2」
といった感じです。班のメンバーが言われた通りに砂場にシートを用意します。シートの長さが決まったら、好きな助走の距離からスタートします。
ルール1 シートは必ずまっすぐ飛び越さなければいけません。
横に着地した場合はファールになります。
ルール2 砂場には足から着地します。
頭から着地すると怪我ををする危険があるからです。
ルール3 シートに触れずに跳び越せたら成功です。
幅を自分で決め、遠くへ跳び越える感覚を養うことが目的です。これが高学年の「幅跳び」につながってきます。
「ジャンプシート」はこうやろう!その3 授業の進め方とポイント
準備ができたら授業をポイントに沿って進めていきます。
(押さえたいポイント1) 同じ足で踏み切る
踏み切る足が両足になってしまう子や右左ばらばらになってしまう子がいます。片足でしかも同じ足(利き足)で踏み切ることを教えていきたいです。そのために、授業の始めは子どもたちのやりたいようにシートを置かせます。その中に幅の広いシートを跳べる子が出てきますので、子どもたちに注目させます。そこで同じ足で踏み切ることがコツであることを紹介します。教師は、踏み切りが上手な子を見つけることが大切になります。
(押さえたいポイント2) 高く飛ぶ
シートを飛び越える際まっすぐ低く飛んでしまう子がいます。こうすると高さが出ず、すぐに地面に落ちてしまいます。なるべく高く飛ぶことを教えていきたいです。そのために、「踏み切り」の指導が終わったら、「低く飛んでいる子」と「高く飛んでいる子」を見つけます。見つけたら子どもたちを集め、二人の子に実際に走ってもらいます。どちらがより高く跳べているかを見比べて高く飛ぶこともコツであることを紹介します。
(押さえたいポイント3) 足を前に出す
シートを飛び越える際、足が高く上がらない子がいます。こうすると高さが出ず、すぐに地面に落ちてしまいます。なるべく足を上げて飛ぶことを教えていきたいです。そのために、段ボールなどの障害物を置き、「足を上げて跳び越えてみる跳び方」と「足を上げない跳び方」を試させます。どちらがより幅の広いシートを跳べているかを体験することで、「足を上げる」こともコツであることを紹介します。
これらのポイントの指導を授業の時間に行い、ポイントを意識して練習します。最後に記録を取っていくという流れで1時間を組み立てるといいと思います。ポイントが上手にできればいいですが、中学年ですので指導してもできない子はたくさんいます。できないことを前提に楽しんで走ることができればいいと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は「ジャンプシート」の主に準備物とルールについて説明しました。簡単なルールで行うことができ、運動量も多く、とにかく楽しくできるので、中学年の体育としてふさわしい教材だと思います。ブルーシートの準備は少し大変ですが、子どもたちが1時間ノンストップで動き続けられる教材です。作って損はありません。
中学年の体育で何をしようか考えている方の叩き台になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。