小学生の冬の運動場の体育、皆さんはどんな活動をさせていますか。冬の運動場の体育といえば「サッカー」ですよね。そこで今回おすすめしたいのが、「ラインサッカー」です。今回はそんな「ラインサッカー」を実際に授業で行った方法を紹介します。冬の運動場体育の内容を考えている方の参考にしていただければと思います。
目次
低・中学年におすすめ「変則サッカー」その1 「ラインサッカー」
今回紹介する「変則サッカー」は「ラインサッカー」です。まずは「ラインサッカー」の準備物について紹介します。「ラインサッカー」で使う道具は、(1つのコート当たり)
①サッカーボール 1個
②得点板

一つのコートに8人(攻撃4人・守備4人)が同時にプレイすることになります。30人学級の場合、2コートほど(1コート7人~8人)用意できるといいと思います。
「ラインサッカー」はこうやろう!その2 ルール
続いてルールについてです。人数は1チーム4人です。攻撃側も守備側も4人は各チームのゴールゾーンでスタンバイします。「笛」の合図でゴールゾーン目指してスタートします。
(攻撃側)
ルール1 キックオフでエンドラインをスターとしたら、ドリブルかパスでボールを前に運びます。サッカーのルールと同じく手を使ってはいけません。
ルール2 エンドラインに引かれたゴールゾーンの中に2人ゴールマンをつけます。
プレイヤーはボールをゴールゾーンにけります。
ゴールマンがけられたボールをゴールゾーンの中で止めたら「ゴール」になります。
つまり、サッカーゴールはなく、人がボールを止めたらゴールになります。
※なぜゴールを使わずにゴールマンがボールを止めたらゴールなのかと言うと、低学年や中学年では、「パスの技術を高める」ことを狙いとしています。ゴールマンと言っていますが、このゲームではプレイヤーが正確にパスして、ゴールマンがそれを正確に止めて初めて得点になります。練習でも「パス→止める」という練習が試合に直結してきます。得点につながるとなれば、子どもたちも意識をもって練習に取り組めます。中学年、高学年の「サッカー」につながる技術になります。発達段階と技術の習得を考え、全員が「正確にパスをする」「正確に止める」ができるようになるため、このようなルールにしてあります。
ルール3 サイドラインを割った場合は割った場所からスローインでスタートします。
ルール4 エンドラインを割った場合は、攻撃側が最後に触った場合はゴールキック。
守備側が最後に触った場合はコーナーキックでスターとします。
ルール5 前後半10分間(5分×2)でたくさん点を取ったチームの勝利です。
(守備側)
ルール1 守備側は相手のドリブルやパスを阻止します。スライディングは禁止です。(けがの危険があるため)
「ラインサッカー」はこうやろう!その3 対戦方法
続いてチーム作りと対戦方法です。まず4人1組のチームを作ります。これは担任が子どもの様子を見て力が均等になるように決めてください。8チームほどできたら、2つずつペアにして大きな4チームに分けます。(A-1A-2,B-1B-2,C-1C-2,D-1D-2というようにペアチームにします)そのうちの2チームがその日の対戦チームになります。(1コートA、B班 2コートC、D班)
前半をA-1対B-1で行います。試合のないペアの残りの班の子は、「ゴールマン(2人)」と「審判」をします(A-2B-2班)。審判はエンドラインを出ていないかを確認したり、サイドラインからボールが出ていないか、最後にボールに触ったのはどちらかの子を確認したりします。
前半が終わったら、プレイヤーとゴールマン・審判を交代します。後半は、A-2班対B-2班、ゴールマン・審判はA-1B-1班です。後半も5分行います。これで1試合の対戦は終了です。前半後半の得点を合わせて勝敗を決めます。第2試合はA対C、B対Dと言う風にペア班ごとかえて同じように対戦します。
対戦カードを変えて総当たりにすることでクラスのリーグ戦を行うことができます。
「ラインサッカー」はこうやろう!その4対戦方法その2
続いてチーム作りと対戦方法のその2です。
まず2〜4人1組のチームを作ります。これは担任が子どもの様子を見て力が同じくらいの子が同じチームになるように決めてください。10〜15チームほど作ります。
(例)サッカーを習っている子&運動神経抜群リーグ A 4チーム(2〜4人チーム)
運動がそこそこできるがサッカーは習っていないリーグ B 4チーム(2〜4人チーム)
運動が苦手な子リーグ C 4チーム(2〜4人チーム)
力が同じくらいの子を集めるのは、サッカーでは力の差が大きく出すぎてしまうためです。(習っている子が多く、習っていない子とのレベル差が激しいため)
もし、習っていない子と習っている子を同じチームにすると、習っている子がドリブルでほとんどボールをもってしまい、習っていない子はほとんど止まってしまうことになります。これでは運動量が確保できなくなってしまいます。かと言ってドリブルを禁止するとまったく試合にならなくなってしまいます。他のスポーツではチームは力がバラバラの子を混ぜる方がいいですが、サッカーでは同じレベルの子で合わせた方が全員がたくさん動けて満足できます。
1時間で3試合(1試合8分)行います。各リーグ1〜4の名前をつけます。例えばAリーグなら、第1試合はA1対A2、A3対A4で行います。第2試合は、A1対A3、A2対A4で行います。第3試合は、A1対A4、A2対A3で行います。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は「ラインサッカー」の主に準備物とルール、対戦方法について説明しました。簡単なルールで行うことができ、運動量も多く、クラスの色々な友達と対戦することができるので、低・中学年の体育としてふさわしい教材だと思います。低・中学年の体育の「サッカー」で何をしようか考えている方の叩き台になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。