皆さんは社会の歴史の授業をどのように行っていますか。今回は定着させなければならない「自由民権運動」と「日清戦争」の知識を、謎解きでやってみるという授業の提案です。これから授業を行う方の叩き台にしていただけたらと思います。
小学生、6年生社会歴史の学習、「ペリーと開国」と「明治維新と文明開化」の知識の定着は謎解きで!実際に行った授業を紹介します!
の続きになります。
目次
〇〇時代の謎を解き明かせ その1 「自由民権運動の謎を解き明かせ」
「明治時代」では、「華族と薩長」による政治が進められていました。そんな政府に反対する「自由民権運動」の広がりが見えてきます。そこで今回は、「自由民権運動」についての謎解きです。
黒板に下の大きく拡大した写真を貼ります。
クイズ①は、
「この絵は何をしているか。人々が怒っている理由とは。この活動を中心になって行っていた人物が訴えていることは何か。政府はこの活動に対して最終的にどのような対応を行ったか。」
です。一つ目の答えは、「自由民権運動の演説」です。人々が怒っているのは、「演説している人」ではなく、「演説を止めようとする警官に怒っている」です。2つ目の答えは、「板垣退助」です。「自由民権運動の中心」として「国会開設」を訴えていました。
3つ目の答えは、「10年後の国会開設を約束した」です。「自由民権運動」の高まりを抑えることは難しく、政府は10年後の国会開設を約束しました。
クイズ②は、
「新政府に反抗して起きた最大の士族の反乱の名前とその中心人物とは。その反乱の結末は。」
です。
1つ目の答えは、「西南戦争」です。中心人物は「西郷隆盛」です。
征韓論で下野した西郷は、士族の新政府に対する不満におされ、西南戦争を起こします。2つ目の答えは、「新政府軍が武力で鎮圧しての勝利」で、西郷は自害しました。
クイズ③は、
「この時代に定められた憲法とは。この憲法はだれに権力があったか。どこの国を参考につくられたか。その憲法を定めたときの総理大臣とは。1〜3のクイズを時代順に並び替えよ。」
です。
1つ目の答えは、「大日本帝国憲法」です。
主権は「天皇」です。
2つ目の答えは、参考にした国は、「ドイツ」です。3つ目の答えは、定めたのは初代総理大臣「伊藤博文」です。
4つ目の答えは、「2→1→3」です。征韓論で下野した「西郷」と「板垣」でしたが、武力で新政府に反抗した「西郷」が新政府軍に武力で破れました。武力で倒すことができないと感じた「板垣」は「国会開設」で「話し合い」を元に新政府に反抗しました。結果「大日本帝国憲法」の発布につながりました。
どの問題から取り掛かっても構いません。また、25分と時間を区切って行うことも同じです。時間が終わったら、子どもたちに発表してもらいながら解説をつけて答え合わせをしていきます。答えとイラストをノートにまとめて授業は完了です。
〇〇時代の謎を解き明かせ その2 「日清戦争の謎を解き明かせ」
続いて、「日清戦争」についての謎解きです。
クイズ①は、黒板に下記のイラストを掲示します。
「4つのイラストが表しているものをそれぞれ示せ。」
です。
1つ目の答えは、「A日本」「B清(中国)」「Cロシア」「D朝鮮」です。D朝鮮をねらっているA日本。B清もD朝鮮をねらっています。CロシアはD朝鮮を横取りしようとしています。
クイズ②は、
「このイラストが表していることとその結末とは。結末で日本が相手国と結んだ条約とその内容を示せ。」
です。
1つ目の答えは、「日清戦争」を風刺しています。2つめの答えは、「清との戦争に勝利した日本は、『下関条約』を結んだ」です。その内容は、清との間に、
1「遼東半島・台湾などを割与」
2「賠償金3億6千万円」
3「港を開港する」などです。
当時の日本の国家予算8000万円の4倍の賠償金を受けとりました。
クイズ③は、
「2の後、外国が協力して日本に対してとった行動とその内容とは。その外国はどこの国か。その行動に対して日本はどのような行動を取ったか。」
です。
1つ目の答えは、「三国干渉」です。その内容は、「下関条約の中の、『遼東半島』を返還するよう要求した」です。2つ目の答えは、「ロシア・フランス・ドイツ」です。3つ目の答えは、当時の日本には、この3国に対抗する力がなかったため、「要求を受け入れ、『遼東半島』を返還した」です。この「三国干渉」により、「ロシアに復讐しようという『臥薪嘗胆』という言葉がスローガンとして広く使われました。
これもどの問題から取り掛かっても構いません。また、25分と時間を区切って行うことも同じです。時間が終わったら、子どもたちに発表してもらいながら解説をつけて答え合わせをしていきます。答えとイラストをノートにまとめて授業は完了です。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回取り上げた問題は、テストで出題を確認したものばかりですので、押さえなければいけないポイントになると思います。しかし、教師が講義形式で授業を行っても子どもも飽きてしまいます。「自分から資料や教科書に向き合い、答えを見つけて正解して喜びを味わい自分の知識とする」ことができる「謎解き」の授業をぜひやってみてはいかがでしょうか。次回は、「日露戦争と条約改正」について紹介します。
最後までお読みいただきありがとうございました。