小学生、5年生「生き物は円柱形」の話し合いはこれ!実際に行った発問を紹介します!

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小学校5年生の説明文の中に、「生き物は円柱形」があります。皆さんはどのように授業を進めていますか。今回は「生き物は円柱形」を「『問い』を見つけ『答え』を探す話し合い」で行った授業を紹介していきます。これから授業を行おうと考えている方の叩き台にしていただけたらと思います。

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目次

「生き物は円柱形」の授業展開その1 問いを見つける

説明文では、「問い」の段落を見つけ、その「答え」の段落を見つけることで授業を進めて行く方が読む力が高まります。そこで音読が終わり、段落をふったら、子どもたちにこんな発問をします。

「この説明文の問いの段落はどこですか。」

ノートに、「ここが『問い』の段落だ」と思う段落の番号を書かせ、その理由を書かせます。

 

 

「問い」の段落で最後に選ばれた段落は、1段落と6段落です。それまでに選ばれた段落は、話し合いで無くしていきました。

1段落を考えた子たちは、「『生き物らしいところは、多様だというところだろう。しかし、よく見ると、その中に共通性がある。』」という文章が、読んでいる人に興味をもたせるような文章になっているという意見が出ました。

6段落と考えた子たちは、「『円柱形だと、どんないいことがあるのだろう。』」の文章が問題のような言い方が問いだからという意見が出ました。

6段落では、「〜だろう。」というわかりやすい文末があります。そこで「問い」の段落として間違っていません。一方、1段落も、「しかし、よく見ると、その中に共通性がある。」という考えさせる文章があります。

読者に、「共通性って何。」や「生き物の中の共通性ってどんなものだろう。」とこれからのお話しに興味をもたせています。2段落で「共通性」の話が始まることを考えると、1段落は「問題定義」になります。

つまりこの段階では、1段落と6段落はどちらも「問い」の段落になります。

 

 

「生き物は円柱形」の授業展開その2 問いに対する答えを見つける

 

問いが見つかったら、次は答えの段落を探していきます。続いて子どもたちにこんな発問をします。

「この説明文の問いに対する答えの段落はどこですか。」

ノートに、「ここが『答え』の段落だ」と思う段落の番号を書かせ、その理由を書かせます。今回は問いが2つあるので、2つの問いに対する答えと理由が書けたら、自分が答えだと思う段落にネームプレートを貼ります(黒板に出てきた答えの段落を書いておきます)。「答え」の段落で最後に選ばれた段落は、

6段落↔︎10段落と

1段落↔︎11段落です。

それまでに選ばれた段落は話し合いで無くしていきました。

 

 

6段落の答えとして10段落を考えた子たちは、「円柱形は強い。円柱形は速い。」が6段落の「『円柱形だと、どんないいことがあるのだろう。』」の答えになっているからという意見が出ました

1段落の答えとして11段落と考えた子たちは、「多様なものの中から共通性を見いだし、なぜ同じなのかを考えることも、実におもしろい。」の「多様なものの中から共通性を見いだし」が読んでいる人に伝えたいことという意見や、「実におもしろい」が読んでいる人にもやってほしいという意見が出ました。

 

「生き物は円柱形」の授業展開その3 筆者が最も伝えたかったことは何かを考える

 

答えだと思う段落の理由を発表した後は、解を示しました。

答えは「1段落↔︎11段落」「6段落↔︎10段落」です。多くの子どもたちの読み取りの通り、「問い」に対する「答え」は適切に見つけられました。ここで、A「1段落↔︎11段落」、B「6段落↔︎10段落」として、

「筆者がこのお話で一番伝えたかったのは、どちらの問いと答えだろう。」

と最後の発問をしました。ノートにAかBかを書かせ、理由を書かせました。Aを選んだ子たちの意見は、

「お話の最初と最後にあるから大事な話だから」

「1段落に『共通性は、生き物は円柱形だ』という話をしていて、11段落でも共通性の話をしているから」

「題名にある『生き物は円柱形』が書かれているのは1段落と11段落だから」という意見が出ました。

Bを選んだ子たちの意見は、

「問いに対しての「円柱形」の良さが答えに書いてあるから」

「『生き物は円柱形』であることが『生き物の体の基本』だと言っているから」という意見が出ました。

Aに対する反論は、

「円柱形であることの良さについて書かれていないから」

「11段落は筆者の感想や思ったことが書かれているから」という意見が出ました。

Bに対する反論は、

「『円柱形』の良さについては書いてあるけれど、筆者が本当に言いたいことはここにはないから」

Bのグループがより多い人数になって最終決断が終わりました。

立場を決めて話し合ったので最後は解を示しました。答えはAです。Bは確かに「問い」と「答え」が明確ですし、題名にもある「円柱形」の良さも十分に伝わってきます。

しかし、それは筆者がもっとも伝えたい「生き物の多様性の中の共通性」の一つの例でしかありません。つまり、読者が「生き物の多様性の中の共通性」に気づき、新たに何かを見つければ、それもまた「実におもしろい」ことになります。筆者はその新たな共通性に読者の興味を向けたいと考えているのです。Bはそんな多様性の中の共通性の一つの興味深い、説得力のある例に過ぎません。よって筆者がもっとも伝えたいのは、Aになります。

 

 

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか。今回の授業が、音読を行い、段落をふり、その後の説明文における授業の進め方に困っている方の叩き台になれば幸いです。音読の仕方についてもアイデアを求めている場合は下のサイトにて説明しています。こちらも合わせてお読みいただけたら嬉しいです。

「小学生、退屈な音読の授業や宿題を変えよう!自分から進んで読んで楽しく力がつく音読の指導法を紹介します!」

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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