小学生の作文指導で難しいのが、「句読点」ですよね。自由に書かせていると、「全く句読点がない作文」になったり、適当に「句読点」を打ってしまいなんだか逆に読みにくい文章になってしまったりします。かといってなんて指導すればいいのかも悩ましいところです。そこで今回は、「句読点」の打ち方について実際に行った授業を紹介します。「句読点」の打ち方の指導を行おうとしている方のたたき台にしていただけたらと思います。
目次
句読点の打ち方の指導はこうしよう その1 「読点」の打つ場所
「読点」はどんな時に打つのでしょうか。その場所についてまずは子どもたちに説明をします。「読点」を打つ場所は、
①文章が長い時に「息継ぎ」をする場所 です。例えばこんな作文を書いたとします。
【例】 ぼくは昨日学校から帰って宿題をする前に犬の散歩に行きました。
この作文を声に出して読むと、息が苦しくなります。それは「読点」がないからです。そこでこの文章に「読点」を打ってみます。
【例】 ぼくは、昨日、学校から帰って、宿題をする前に、犬の散歩に行きました。
この文章を声に出して読むと、これもスムーズに読めません。なぜなら「読点」を打ちすぎて息継ぎが多くなるからです。では適切な「読点」を打った文章がどうなるのでしょうか。
【例】 ぼくは昨日、学校から帰って宿題をする前に、犬の散歩に行きました。
この文章だとどうでしょうか。声に出して読むと適度に息継ぎができ、スムーズに読める文章になっています。つまり「読点」を打つ場所は、「適度に(打ちすぎない)息継ぎができる場所になります。
続いて「読点」を打つ場所は、
②言葉が続いていて意味がわかりづらい場所 です。例えばこんな作文を書いたとします。
【例】 ぼくは昨日ははからはを磨くように言われました。
「ははからはを」の部分の漢字にするところを、ひらがなで書いたので、よりわかりづらいと思います。これをこのままにしておくと意味がわからなくなってしまいます。そこで「読点」を打ってみます。
【例】 ぼくは昨日、ははから、はを磨くように言われました。
このように「読点」を打つと意味が伝わると思います。漢字も入れて書くと、
【例】 ぼくは昨日、母から、歯を磨くように言われました。このように「読点」を打つと、意味を伝えるために打つ「読点」になります。
句読点の打ち方の指導はこうしよう その2 「句点」を打つ場所
続いて「句点」の打つ場所です。「句点」はどんな時に打つのでしょうか。その場所についてまずは子どもたちに説明をします。「句点」を打つ場所は、
「そこまでの文章の内容を伝える」 場所です。例えばこんな作文を書いたとします。
【例】 ぼくは昨日、家に帰ってから、宿題をする前に、犬の散歩に行き、その後ご飯を食べて、お風呂に入って、テレビを見て、歯磨きをして、・・・
この作文を読むと、筆者が何を伝えたいのかわかりません。それは文章を全て「読点」で繋ぎ、「句点」が使われていないからです。では適切な「句点」を打った文章はどうなるのでしょうか。
【例】 ぼくは昨日家に帰ってから、宿題をする前に犬の散歩に行きました。その後ご飯を食べました。お風呂に入りました。テレビを見ました。歯磨きをしました。・・・
どうでしょうか。先ほどの文章に比べ、すっきりとした感じがしませんか。話すときも一緒ですが、「句点」を打つとお話しが一度切れます。話をしている時なら「うんうん。」とうなずく場面です。お話しが切れるとそこまでの内容が相手に伝わります。
しかし「読点」でつなぐとお話しが続くことになります。話をしている時なら「うん。」と小さくうなずく場面です。お話しが続いて文章が長くなればなるほど、人はお話しの意味が理解できなくなります。
そこで文章の意味を一度切り相手に伝えるために「句点」を打ちます。
句読点の打ち方の指導はこうしよう その3 「句読点」の打ち方の指導方法
「句読点」を打つ場所を説明したら、次は指導の方法です。一度に2つのことを指導してもうまく伝わりません。そこで以下のサイトでも紹介していますが、
様々な場面で作文を書かせていきます。私は朝の会の時間に、「作文発表の時間」をつくっています。当番が自分の書いた作文を黒板に書いて発表するというものです。毎日一人ずつ発表していくと、今回のように「句読点」の不備が見られる作文が出てきます。その時に今回の「句読点」の説明をしていきます。当然一人の不備で説明するのは一つです。例え「句読点」両方に不備のある作文であっても、その日はどちらか一方の指導にします。しばらくするとまた「句読点」に不備のある作文が出てきますので、そこでまた指導します。繰り返し指導していくことで定着を図ります。
また、授業で取り扱う時も、1時間に「読点」。次の2時間目に「句点」というように2つに分けます。1時間目の「読点」の説明の後に、実際に文章を書かせることで理解させます。しかし2つを1時間で説明してしまうと、説明だけで終わってしまい、結局使い方が実感できないということになりかねません。ゆとりをもって指導することをお勧めします。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回のポイントをまとめると、
【読点】
①適度に(打ちすぎない)息継ぎができる場所
②意味を伝えるために打つ
【句点】
文章を一度切り相手にそこまでの話をわかりやすく伝えるために「句点」を打つ
です。作文を書かせる上で指導の難しい「句読点」の指導方法のたたき台にしていただけたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。