小学校6年生の説明文の中に、「時計の時間と心の時間」があります。皆さんはどのように授業を進めていますか。今回は「時計の時間と心の時間」を「『問い』を見つけ『答え』を探す話し合い」で行った授業を紹介していきます。これから授業を行おうと考えている方の叩き台にしていただけたらと思います。
目次
「時計の時間と心の時間」の授業展開その1 問いを見つける
説明文では、「問い」の段落を見つけ、その「答え」の段落を見つけることで授業を進めて行く方が読む力が高まります。そこで音読が終わり、段落をふったら、子どもたちにこんな発問をします。
「この説明文の問いの段落はどこですか。」
ノートに、「ここが『問い』の段落だ」と思う段落の番号を書かせ、その理由を書かせます。
「問い」の段落で選ばれた段落は、1段落です。
1段落を考えた子たちは、「そして、私は、『心の時間』に目を向けることが、時間と付き合っていくうえで、とても重要であると考えています。」という文章が、読んでいる人に考えさせるような文章になっているという意見が出ました。
問い」の段落では、「〜でしょうか。」というわかりやすい文末があればいいのですが、この文章では「〜か。」という文末がありません。そこで「問題定義」がされている段落を考えていきます。1段落は「そして、私は、『心の時間』に目を向けることが、時間と付き合っていくうえで、とても重要であると考えています。」という文章から、読者に、「心の時間に目を向けるって何。」や「時間と付き合うってどんな状態だろう。」と作者の体験談について興味をもたせています。2段落で「時計の時間」と「心の時間」の説明の話が始まることを考えると、「問題定義」は1段落になります。
「時計の時間と心の時間」の授業展開その2 問いに対する答えを見つける
問いが見つかったら、次は答えの段落を探していきます。続いて子どもたちにこんな発問をします。
「この説明文の答えの段落はどこですか。
ノートに、「ここが『答え』の段落だ」と思う段落の番号を書かせ、その理由を書かせます。答えと理由が書けたら、自分が答えだと思う段落にネームプレートを貼ります(黒板に出てきた答えの段落を書いておきます)。「答え」の段落で選ばれた段落は、7段落と8段落です。
7段落を考えた子たちは、
・「ここまで見てきたように」がお話をまとめているからという意見。
・「『心の時間』の感覚のちがいもあわせて考えれば、いつも正確に「時計の時間』どおりに作業し続けたり、複数の人が長い時間、同じペースで作業を進めたりすることは、とても難しいことだと分かります。」の「とても難しいことだと分かります。」が筆者が伝えたかったことという意見が出ました。
8段落と考えた子たちは、
・「このように考えると」の「このように」がまとめているという意見。
・「生活の中で『心の時間』にも目を向けることの大切さが見えてくるのではないでしょうか。」の「目を向けることの大切さ」が読んでいる人に向けて伝えたいことになっているという意見が出ました。
答えだと思う段落の理由を発表した後は、お互いにその答えに反論していきます。
7段落に出た反論は、「ここまで見てきたように」はまとめの言葉だけど、この「ここまで見てきたように」は時計の時間と心の時間の違いや説明について書いてきたこれまでの段落のことを指しているという意見が出ました。
8段落に出た反論は、「生活の中で『心の時間』にも目を向けることの大切さが見えてくるのではないでしょうか。」という文章は、読者に聞いているので結論ではないという意見が出ました。
一通り意見が出たところで、問いの段落の内容をもう一度振り返らせてみました。問いの段落では、「そして、私は、『心の時間』に目を向けることが、時間と付き合っていくうえで、とても重要であると考えています。」という文章で読者に興味をもたせている段落でした。答えということは、この興味の答えが出ていればいいということです。それを元にもう一度話し合いました。
この続きは、
小学生、6年生「時計の時間と心の時間」の話し合いはこれ!実際に行った発問を紹介します!その2
で紹介しています。こちらも引き続き読んでいただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。