小学校6年生の説明文の中に、「時計の時間と心の時間」があります。皆さんはどのように授業を進めていますか。今回は「時計の時間と心の時間」を「『問い』を見つけ『答え』を探す話し合い」で行った授業を紹介していきます。これから授業を行おうと考えている方の叩き台にしていただけたらと思います。
小学生、6年生「時計の時間と心の時間」の話し合いはこれ!実際に行った発問を紹介します!」
の続きになります。
目次
「時計の時間と心の時間」の授業展開その3 問いに対する答えを示す
最後に解を示しました。
1段落の、「そして、私は、『心の時間』に目を向けることが、時間と付き合っていくうえで、とても重要であると考えています。」の「『心の時間』に目を向ける」に対応しているのは、8段落の「さまざまな事がらのえいきょうで、『心の時間』の進み方が変わる」という文章です。
これは3段落の「その人がそのときに行っていることをどう感じているかによって、進み方が変わる」と、
4段落の「一日の時間帯によっても、『心の時間』の進み方は変わる」、
5段落の「身の回りの環境によっても、『心の時間』の進み方は変わる」の内容を意味しています。この3つの『心の時間』の進み方のちがいを知っていれば、「それを考えに入れて計画を立てられる」と筆者は話しています。逆に言うと、この3つを考えに入れて計画を立てなければ、いろいろな人にとって有意義な計画にならないということです。
また、8段落の「人それぞれに『心の時間』の感覚がちがうことを知っていれば、他の人といっしょに作業するときも、たがいを気づかいながら進められる」は、
6段落の『心の時間』には、人によって感覚がことなるという特性があります」の内容を意味しています。この感覚のちがいを知っていれば、「いっしょに作業するときも、たがいを気づかいながら進められる」と筆者は話しています。これも逆に言うと、たがいを気づかいながら進めていかないといっしょに作業するのは難しいと言うことです。
つまり8段落のこの2文で、3〜6段落の内容を短く要約していることになります。これが問いにあった「『心の時間』に目を向ける」ということです。
一方、7段落は上記で示した、赤線部分になります。人にはそれぞれ『心の時間』のちがいがあるのに、私たちが社会に関わることを可能にし、社会を成り立たせている『時計の時間』どおりに作業を進めると、有意義にならなかったり、いっしょに作業することが難しいということになります。
次に、問いの「時間と付き合っていくうえで、とても重要であると考えています。」に対応しているのは、8段落の「『時間』と付き合うちえ」の部分です。もし7段落のように、『心の時間』を頭に入れずに、『時計の時間』どおりに時間と付き合っていけば、いろいろな人にとって「とても難しい」ことになってしまいます。これは「時間と付き合うちえ」とは言えません。
一方、8段落のように、『心の時間』を頭に入れて、『時計の時間』を道具として使えば、いろいろな人にとって有意義な時間になります。筆者はそれを「とても重要」と表現しています。
よって正解は8段落になります。
『心の時間』を無視して『時計の時間』と付き合うと、人と上手に付き合えなくなります。「早くしろよ。」「時間通りにやれ。」などは人が不快に感じる言葉です。
一方、『心の時間』に目を向けて、『時計の時間』を道具として使えば、人と上手に付き合えます。「○時までだけど、もう少し時間を伸ばそうか。」や「○○さんができるまで待つね。」は人が気持ちよく感じる言葉です。
こう考えると、「時間と付き合うちえ」とは、「時間を介した人と付き合う方法」と捉えられるのではないでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の授業が、音読を行い、段落をふり、その後の説明文における授業の進め方に困っている方の叩き台になれば幸いです。音読の仕方についてもアイデアを求めている場合は下のサイトにて説明しています。こちらも合わせてお読みいただけたら嬉しいです。
「小学生、退屈な音読の授業や宿題を変えよう!自分から進んで読んで楽しく力がつく音読の指導法を紹介します!」
最後までお読みいただきありがとうございました。