小学5年生「カレーライス」クライマックスの話し合いはこれ!実際に行った発問を紹介します!

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小学校5年生の物語文の中に、「カレーライス」があります。皆さんはどのように授業を進めていますか。今回は「カレーライス」のクライマックスの話し合いで行った授業を紹介していきます。これから授業を行おうと考えている方の叩き台にしていただけたらと思います。

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目次

「カレーライス」のクライマックスは、「ひろし」の「父に対する気持ち」で追う

「カレーライス」のクライマックスの場面は、「ひろし」が父と2人で「お父さんウィーク」を過ごす場面です。
「ひろし」はそれまで、父の「ゲーム機のコードを突然抜く」という行動に怒りをもつ反面、父の歩み寄りに素直に応じることができず意地を張っていました。「謝ろう」とするけれど「素直に謝るのが格好悪い」という心情です。

クライマックスでは、「ひろし」は「父」に対して「謝りたいけれど謝れない」という存在から「関係修復」という存在に変わっています。そこには「ひろし」の心の変化があったと思われます。そこでこのお話では、「ひろし」を「中心人物」として考えていきます。そこでクライマックスは、

ひろしの父に対する思いが変わったのはどの場面か

で話し合います。

 

 

ひろしは「父にゲーム機のコードを突然抜かれた」のだから始めは「怒り」の一番深い場所にあるはずです。しかし、途中から「謝らなくては」と思いつつも話しかけられない状態になります。ここでは「怒り」はもうなくなっています。最後に「ひろし」は「父」と「次のカレーライスの計画」について話していたことを考えると、どこかで「怒り→謝らなくては」から「関係修復」に似た感情に動いたはずです。そこでお話しの中で「ひろし」の気持ちが「怒り→謝らなくては」から「関係修復」に似た感情に動いたに変わる部分を子どもたちに文章を元に考えさせます。

クライマックス場面の意見で分かれたのは、

A「何か作るよ。ぼく作れるから。」

の部分から「関係修復」になる意見と、

 

 

B「と、うれしそうに何度もうなずくお父さんを見ていると、なんだかこっちまでうれしくなってきた。」

の部分で「関係修復」になるという意見です。

 

 

「カレーライス」の主発問は、「ひろしの気持ちはどこで変わるのか」で話し合う

 

どちらの答えが正しいと思うか、自分の考えをノートに書きます。書き終わったら、A 、B のどちらの考えかはっきりさせるため、黒板にマグネットを貼って立場をはっきりさせました。

2つの意見について話し合いを行います。「ひろし」の「父」に対する気持ちが「怒り→謝らなくては」から「関係修復」に変わったのは、

A「何か作るよ。ぼく作れるから。」か、

 

B「と、うれしそうに何度もうなずくお父さんを見ていると、なんだかこっちまでうれしくなってきた。。」のどちらの場面かです。

 

Aでは、賛成意見として、「これまで話しかけられても答えられなかったのに自分から話している」や「父に優しさを出している」という意見が出てきました。

一方Bの賛成意見では、「父がぼくを許して喜んでくれているから」や「ひろしが父を見てうれしくなっているから」という意見が出てきました。

 

 

Aに対する反対意見として、「話しかけたけれどまだ父の反応がわからない」や「『でもカレーなの。いいからカレーなの。』と言い放っているから、まだ仲直りできてうれしい感じではない」という意見が出ました。

Bに対する反対意見として、「父がうれしくなったのはここだけではなくく、この前にも『まぁいいかと笑った。』という場面でも笑っているからBまで気まずかった訳ではない」や「Bより前にもう会話ができているし、一緒にカレーを作っているから」という意見が出ました。

そこで「ひろしが怒っている理由は何だろう。」と聞いてみました。「ひろしの素直に謝らない怒り」をよく表す部分は、それまでの、

「ぼくはすねてるんじゃない。お父さんと口をききたくないのは、そんな子どもっぽいことじゃんくて、もっと、こう、なんていうか、もっと─」や、

「火を使うのは危ないから。」
と、オーブントースターと電子レンジしか使わせてくれない。

「うげぇ。そんなの言うなんてかっこ悪いよ。」

というセリフや行動に現れています。ひろしは「自分をいつまでも子ども扱いする父に素直に謝れない」という状況です。それを元に、もう一度AとBの意見を発表してもらいました。すると、Bの場面は、「そうかあ、ひろしも『中辛』なのかあ、そうかそうか。」とうれしそうに何度もうなずく父を見て、ひろし自身も嬉しくなっている」からここで関係修復したのではないかという意見が多く出てきました。

立場を決めて話し合いを行ったので、最後には解を示しました。正解は Bです。「ひろし」は「自分を子ども扱いする父」に「謝ろう」と考えていましたが、思春期ゆえに言葉に出すのが照れ臭くなっています。そこで取った行動は、Aの「何か作るよ。ぼく作れるから。」です。しかし、その後も「だめだよ。こんなのじゃ。」や、「何言ってんの、…。」となんだか関係がギクシャクしています。

一方Bは、ひろしも父も喜んでいますが、それは父がひろしを

「『中辛』だとわかってくれた=少し大人になったことを認めてくれた

からです。今までと違う1つ上の関係ができているからお互いに喜べています。

正解はありますが、お互い教科書から証拠を見つけて話しあえたことを褒めて授業を終えました。

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか。今回「クライマックス」において「中心人物」の気持ちの変化を立場を決めて話し合うことで、子どもたちは教科書の中身をよく読み、自分の思いを込めた読み込みができるようになったのではないかと感じています。感想を交流しあうことも大切ですが、深い読み取りのために、教科書を元に話し合うことも大切な技能です。どんな風に授業を進めようか悩んでいる方にとって、今回の授業の流れを叩き台にしていただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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