5年生の社会は「農業」や「工業」「漁業」「林業」などの「産業学習」になります。そこで学習のスタートに5円玉を使った授業を紹介します。5年生の社会の学習のスタートをどんな授業にしようか考えている方の参考になればと思います。
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の続きになります。
目次
5年生の社会のスタートはこう始めよう!その1 5円玉に描いてある絵を推測する
5年生の社会のスタートでは、5年生で学習する内容を紹介するような授業になるといいと思います。そこで、「5円玉」を大きく拡大した写真を用意します。1枚を黒板に貼り、生活班に1枚ずつ配布します。
「5円玉には5年生で学習する社会の内容が隠れています。見つけてみましょう。」
と伝え、ノートに「5円玉を見てわかったこと、気づいたこと、思ったこと」を書かせます。子どもたちの中からは、「お米がある」や「双葉がある」「黄色い」「ぎざぎざしたものがある」「横線のデザインがある」など様々な意見が出ました。私は参観会で行ったので、色々な子が発言できて盛り上がりました。
5年生の社会のスタートはこう始めよう!その2 5円玉に描いてある絵から産業を当てはめる
様々な意見が出たら続いて、「産業=何かを産み出す仕事」という言葉を説明します。
「5円玉に描かれたイラストも、実は何かの産業を示しています。なんの産業でしょう。」
と発問しノートに考えを書かせます。書いた内容を発表してもらいます。「お米=農業」はすぐに出てきますが、他のものは中々出てきません。
そのためヒントを出しながら進めていきました。「『横線』は『海』を表しています。なんの産業でしょう。」
や「『真ん中のギザギザ』は『ネジ』を表しています。なんの産業でしょう。」
と発問し、子どもたちの発言を元に「漁業」と「工業」を紹介しました。「双葉」は「野菜の芽」と思い「農業」と考える子が多かったですが、「木を育てる」というヒントを元に「林業」を紹介しました。
これらが5年生で学習する「産業」であることを紹介しました。
また、
「皆さんの周りにはこれ以外にも仕事がありますね。どんな仕事がありますか。」
と質問し様々な仕事を発表してもらいます。出てきたのは、「ユーチューバー」や「レストラン」「洋服屋さん」などです。それらをまとめて「サービス業」と紹介しました。
続いてなぜ5円玉に記されているものが「農業」「漁業」「工業」「林業」なのかを説明しました。「5円玉が造られた当時は、この4つが主な産業であった」ことを紹介しました。
5年生の社会のスタートはこう始めよう!その3 現代版新しい5円玉を造ろう!
現在の5円玉に記されたものの意味を理解したら、今度は、
「現代版5円玉を造ろう」
と子どもたちに投げかけます。穴の開いた何も描かれていない5円玉の用紙を一人1枚配ります。
この5円玉の紙に、現代の産業をもとに思い描く5円玉を描いていきます。硬貨なので色はつけられませんが、今回は色もつけてもらいました。
生活班の中で発表させ、その後机間巡視して面白いと感じた作品をいくつか前に出て発表してもらいました。どの子も今を感じさせる5円玉になりました。
最後に、「5円玉は黄色」という子どもの気づいたことを取り上げました。なぜ5円玉だけ黄色いのか説明しました。
「5円玉はあるものを潰して造られたからです。なんでしょう。」
と問い、いくつか意見を発表してもらいました。その後解を示しました。正解は「薬きょう(大砲の火薬をつめる筒)」です。「戦後これから戦争をしないで(薬きょうを潰し)産業(上記4つの産業)を発展させていこう」という思いを込めて5円玉は造られたことを説明し授業を終えました。
まとめ
いかがだったでしょうか。私は5年生の社会を進めるスタートとしてこの授業を行いました。参観会で行ったのですが、どの子も活躍できる場面があり、また保護者の方も新しく知ることがあったことで知的でとても盛り上がりました。今後5年生の社会をどのように進めようか考えている方の参考になれば幸いです。
また、この授業は下記の著書を参考に実践しております。気になる方はこちらの著書の方もお読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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