小学6年生の社会では、現代社会の分野で「国会の仕事」「内閣の仕事」の学習があります。皆さんはどのように授業を進めていますか。国会・内閣の仕事の内容を子どもたちにわかるように教えるって中々大変ですよね。そこで今回は「クラス憲法」に基づき、「クラス国会」を開くことで「国会の仕事」を理解させようという実践です。クラス憲法についてはこちらのサイトをご覧ください。
「小学生、6年生社会「日本国憲法」は「クラス憲法」で実感させよう!実際に実践した方法を紹介します!」
これから「国会・内閣の仕事」の授業をしようと考えている方の叩き台にしていただけたらと思います。
目次
クラス国会で国会・内閣の仕事を理解しよう その1 国会・内閣の仕事を知る
クラス国会を開くためには、基本になる「国会・内閣の仕事」を知らなくてはなりません。そこでまず、「国会・内閣の仕事」を教科書を元に読むことから始めました。しかし、複雑な国会・内閣の仕事内容ををただ読むのも根気がいりますので、大切なところは穴埋め形式にしたクイズ形式のプリントを作り、クイズに答えながら国会・内閣の仕事を知ることにしました。
https://katekyo.mynavi.jp/juken/3591より
https://mainichi.jp/articles/20180424/kei/00s/00s/010000cより
minoring-office.com/data_lawpri/consti014.php より
https://twitter.com/sinonomenews/status/ より
クイズに答えながら、「国会の仕事」「内閣の仕事」「衆議院と参議院の違い」を確認しました。
クラス国会で国会・内閣の仕事を理解しよう その2 クラス議員を決めよう 「国会」編
国会・内閣の仕事の内容や用語、方法を確認したところで、次は実際に「クラス国会」をやっていきます。「国会の仕事」以前に、「クラス憲法」を作っていますので、「クラス憲法」を元に「憲法を制定してからの生活で、憲法で改正したいこと」がないか確認していきます。私のクラスでは、「宿題の義務を減らしてほしい」や「席替えをもっと多くしたい」という改憲の意見が出たので国会を開くことにしました。
まず、クラスの生活班(1班5人)6つのうち、班の中で、「衆議院委員の立候補者」を決めます。
続いて、班の中で衆議院委員に立候補しなかった子の中から、「参議院委員の立候補者」を決めます。立候補しない子は「国民」になります。立候補者が決まったら実際に学習した流れに沿って選挙を行います。立候補者は、自分が当選したらどんな風にしていきたいか、班の中の国民にアピールします。
班の中で選挙を行い、衆議院議員と参議院委員を一人ずつ決定します。6人の衆議院議員の中から、立候補した議員のうち一人を「内閣総理大臣」にします。内閣総理大臣はクラス議員の中から、「国務大臣」を任命します。これで「クラス内閣」の誕生です。
〈 国務大臣の例 〉
文部科学大臣(授業や宿題に関すること)
厚生労働大臣(保健や清掃、教室環境に関わること) など
クラス国会で国会・内閣の仕事を理解しよう その3 クラス国会を開こう
クラス議員が決まり、「クラス内閣」が開かれたところで、次は実際に「クラス国会」を開いていきます。クラス議員が自分の班に戻り、国民の要望を聞きます。私のクラスでは、例えば、「宿題を5日間連続で全員提出する義務」を「3日間に減らしてほしい」ですとか、「席替えは月に1回」を「席替えは毎週にしてほしい」などです。
国民から出された要望を元に、国務大臣を中心に内閣で、法律の立案や憲法改正の案を出します。案ができたら「クラス国会」を開きます。
内閣以外のクラス議員の子一人に、国会の司会を任せます。国務大臣から法律の提案や、憲法改正の案を発表してもらい、衆議院と参議院で話し合いを行います。後は「国会と内閣の仕事を知る」場面で学習したように、「衆議院の優越」や「憲法改正の場合は国民投票」などのルールを守って法律を制定したり、憲法を改訂していきます。
今回は、「宿題は全員忘れず提出は3日間」の憲法改正は教師の許可も下りて改正かれましたが、「席替えは毎週」の案は、参議院を可決しても、衆議院で否決されてしまい、結局制定されませんでした。衆議院委員は、「学習をしっかりやる」という義務を大切にするために可決しなかったそうです。立派な考えでしたが、国民からは「ぶーぶー」文句が出ていました。
まとめ
いかがだったでしょうか。「国会・内閣の仕事」の内容を資料を読むだけで覚えるのは大変ですが、実際に疑似国会を行うことで、楽しみながら国会の仕組みを理解することができたと思います。これから「国会・内閣の仕事」の学習を進めようとしている方の叩き台になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。