小学生、授業中の話し合いってどうするの?話し方や指導方法を紹介します! その3

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小学校では、「教師と児童、あるいは児童同士の対話」でほとんどの授業が進められます。そんなほとんどの部分をしめる「対話」。皆さんはどのように指導していますか。今回はそんな授業における話し合いの「対話」について話します。これからの指導の叩き台にしていただけたらと思います。

「小学生、授業中の話し合いってどうするの?話し方と指導方法を紹介します その2」

 

の続きになります。

 

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目次

小学生の対話力を高める方法2 話し方の指導方法

(1)話し方はその場で正す

ルールに続いて、次は話し方の指導方法についてです。授業中、児童の発言で間違いを見つけた場合、皆さんはどうしますか。よく見られるのがこんな場面です。例えば、

児童「くりを置いたことに気づいていたらごんは撃たれなかったからなんか…。(言いたいことを忘れ首をかしげる)」

教師「なるほど、兵十はごんがくりを置いたことに気づいていれば撃たなかったから、ごんがかわいそうだと思うんだね。そう。」

児童「うん。」(座る)

という場面です。この場面では、児童は主語が抜けていたり、文末の表現が上手に表現できなかったりしています。教師は児童の言いたいことを表現してあげていますが、児童は結局うなずいただけでまた席についています。これでは児童の話す技術における進歩はありません。そこで、この場面ではこのように指導します。

児童「くりを置いたことに気づいていたらごんは撃たれなかったからなんか…。(首をかしげる)」


教師「なるほど、兵十はごんがくりを置いたことに気づいていれば撃たなかったから、ごんがかわいそうだと思うんだね。ではそうやって言ってみよう。」


児童「兵十はごんがくりを置いたことに気づいていれば撃たれなかったから、ごんがかわいそうだと思った。」(座る)

こうすると、児童は上手な話し方を教師から学び、すぐに実践したことになります。これを繰り返していくことで話し方が向上していきます。しかし、今は時期ではないからと、教科書の学習内容を待ってその場で指導しないことを続けていきますと、その時にその児童のどんな話し方が悪かったのか忘れてしまい、機を逸して指導が進まないことになります。話し方の技術を高めるために大切なことの1つ目は、「その場で正す」になります。

 

 

(2)聞こえる声で話す

続いて2つ目は、「聞こえる声で話す」ということです。当たり前のようですがこれはなかなか大変な指導になります。ルールのように決めても個人差が大きく定着が難しいので、指導という形で定着させていきます。

自信がない子にとって一番大変なことは、発言で自分の意見を全員に伝えるということです。そこで教師が、「もっと大きなこえで。」と伝えてもなかなか大きな声に変りません。続けていくと泣いてしまう子も出てきます。そこで、ここではこんな風に指導します。

教師「今の声が聞こえた人は手を挙げましょう。

こうすると、発表した時に声が小さいとほとんどの子が手を挙げないことになります。もう一度話した時に少しでも大きな声になっていれば、手を挙げる子が増えます。全員が手を挙げる大きさで話すことができたときに、「その声の大きさでいいんだよ。」と褒めます。こうして「どの大きさで話せば教室の隅まで声が届くんだよ」ということを体験をもって覚えさせていきます。自信がついてくれば自然と発表の声が大きくなります。これが「聞こえる声で話す」ことの指導になります。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。話す際のルールや、適切なタイミングでの指導をしていくことを1年間続けることで、上手に話せる子が増えていきますしかし、このルールを知っているのと知らないのでは、1年間で大きな差ができてしまいます。ぜひ一度やっていただき、子どもたちの話す力が高まることができれば幸いです。これらの指導は、下の著書を元に指導をし、手ごたえがあったものを中心にお話しています。興味がある方はぜひ下の著書もお読みください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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