6年生の歴史学習のスタートは、縄文時代です。そこで今回は縄文時代から弥生時代にかけての学習をスムーズに進めていく方法を1つ提案します。読んでみて参考にしていただけたらいいですし、他の案の方がいいと思えばそれで構いません。ぜひ叩き台にしていただけたらと思います。
目次
歴史のスタートは、「住むならどっち?」
縄文時代の特徴は、
①縄文土器を使っていた
②狩りや漁を行っていた
③仲間と争いが無く、協力して生活していた(争って怪我したような痕跡が遺体からあまり見つからないため)
④身分の差がなかった
などが挙げられます。これらを資料を元に1つずつ発表させて押さえる方法でもいいのですが、6年生なので、全員が、自分で資料を読み、情報を見つける作業もさせていきたいところです。そこで、敢えて1つ後の時代である弥生時代を出したいと思います。ここでは敢えて弥生時代の説明はあまりせず、「始まりの時代の縄文時代とその次の時代である弥生時代」くらいの説明にしておきます。そこで、「住むならどっちの時代」か問います。そこから学習をスタートしていきます。
立場を決めて、資料を元に理由をもたせる
「縄文時代と弥生時代、住むならどっち」と言われても情報が無ければ立場を決められません。ここから資料を元に証拠を見つけ立場を決めていきます。弥生時代は、
①弥生土器を使っていた
②稲作が始まった
③食料を巡って争いがあった(争いが元で亡くなったと思われる遺体が多く見つかっている)
④かしらがいて指示を出す人がいることから身分の差があった
などが挙げられます。これらの情報を元に、縄文時代の情報と比べながら立場を決めていきます。最初に決めた立場を、調べていく途中で変更してもOKです。それは証拠を見つけということになり、自分で学習を進めている証拠です。
立場を元に証拠を示しながら話し合う
立場を決め、証拠を掴んだらここからは話し合いです。
縄文時代を選んだ子たちは、やはり大きな理由として、
①争いがない、助け合う社会の良さ
を語ります。弥生時代は争いがあり、争いが元で殺されてしまうかもしれないというマイナス点も話してくれます。取れた食料を分け合う資料を見つけて話してくれる子もいました。押さえたいポイントの1つですね。
一方、弥生時代を選んだ子たちは、大きな理由として、
①食べ物に困ることが無い、飢え死にしなくて済むことが良い
ことを語ります。稲作が始まり安定して食料が得られることが大きなポイントです。縄文時代は獲物が必ず取れるかわからないために飢え死にしてしまうかもしれないというマイナス点についても話してくれました。
お互いの意見を言ったら、今度は話し合いです。相手のマイナス点をさらに資料を元についていきます。
縄文時代→弥生時代
・首のない遺体の資料があるけれど、こんな風に死ぬことになっても良いのか
・かしらに従い、働けや戦えと指示されるのは嫌ではないか
弥生時代→縄文時代
・食料の表を見ると、冬には生き物が多く、取れない時はどうするのか
・飢え死にするくらいなら戦って死んだ方がマシだ
どちらも資料を元に証拠を掴んで話ができています。また、この2つの時代で捉えたいポイントが出てきました。資料を隅々まで見て話ができる習慣がつけられるようになるための第1歩にしたいですね。
まとめ
今回の話し合いで、縄文時代と弥生時代のポイントを、自分の力で資料を調べ、立場をもって話し合うことでより頭に残る学習になります。歴史のスタートとして、話し合いから入り、楽しく進められるという点もポイントです。
一方、縄文時代と弥生時代に知らなければならないことはこれだけではないので、次の時間に、土器についてや、狩を行う際の道具、稲作の道具、卑弥呼の出現などを扱っていきます。今回は歴史学習の入りを楽しみながら行うことをメインに考えてもらえれば大丈夫です。
「小学生、縄文時代のポイントは「謎解き」で!楽しい授業方法を紹介します!」
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叩き台として扱っていただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。