小学生、2年生「スイミー」の話し合いは心情曲線で!実際に行った発問を紹介します!

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小学校2年生の物語文の中に、「スイミー」があります。皆さんはどのように授業を進めていますか。今回は「スイミー」を心情曲線で話し合った授業を紹介していきます。これから授業を行おうと考えている方の叩き台にしていただけたらと思います。

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「スイミー」を読み、作品を捉える

まずは教師が、「スイミー」の作品の特徴を捉えます。

登場人物は、

「スイミー」「まぐろ」「赤い魚」です。「いそぎんちゃく」などの景色は人のように話していないので登場人物には含みません。

 

光村図書 2年国語上より

 

 

作品の特徴としては、

自分だけが真っ黒で、赤い魚の仲間たちとは違うスイミー。大きなマグロに仲間がみんな飲み込まれ、自分ひとりが生き延びるという体験をし、海の中を独りで泳ぎ回ります。様々な発見を経て、やがて自分の仲間と同じ赤い魚たちを見つけたスイミーは、大きなマグロに怯える魚たちを導き、みんなで大きな魚のふりをして泳いでマグロに対抗し、マグロを追いやります。

このことから、「みんなで力を合わせれば何でもできるんだ」ということがテーマだと受け取られがちな『スイミー』、実は、作者レオニのメッセージは全く別のところにあるというのです。(中略)

 
その体験の後、スイミーは魚の仲間たちと出会い、彼らを率先して大きなマグロを追い払うのですが、実はこの物語、スイミーの自己発見と自己実現、という深いテーマがあるのです。

レオニの芸術家としての生き方、それはスイミーが仲間を先導するときの言葉、
「ぼくが、目に なろう」
に集約されています。レオニは、人にはそれぞれの個性と役割があるということ、そして、芸術家として他の者が見えないものを見ることのできる人間がいるということを伝えたかったのです。

スイミーのひとりぼっちの意味

 

兄弟を失い一人ぼっちになったスイミーが見た海の世界は決してつらいものばかりではありませんでした。むしろ、孤独の経験から勇気と知恵を得ています。孤独というとつらく聞こえますが、この経験によりスイミーは一度は兄弟を失った大きな魚から新しい仲間を守る勇気と知恵を身につけています。 一度孤独を経験し、それを乗り越えたからこそ、スイミーは大きな魚にも負けないようになるのです。

 

勇気と知恵を得たスイミー

 

一人で海をさまよった後のスイミーは大きな魚に怯えながら暮らしている新しい仲間たちを外へ連れ出しています。大きな魚によって兄弟を失った経験をしたにも関わらず、スイミーは怯えることはありません。 孤独を乗り越えたスイミーは他の魚たちを勇気づけられる強さも身につけています。

スイミーが見つけた自分の価値

 

スイミーは新しい仲間たちと力をあわせて大きな魚を追い払います。このときスイミーは、自分だけ色が違うという点を有効に使っています。スイミーは仲間たちに言います。「ぼくがめになろう」。スイミーは自分が目の部分を担うことで、大きな魚に見せることに成功させます。 スイミーは孤独な経験を通じて、色が自分だけ違うということにも価値も見出しています

スイミーのもうひとつのメッセージ

 

スイミーは、孤独に海を泳いでいる中で大きな魚に立ち向かっていくための勇気と知恵を身につけました。仲間と協力する知恵、自分の特徴を活かす知恵、怯えることなく向かっていく勇気。これらは最初に兄弟たちを失ったときのスイミーにはなかったものです。 一度は兄弟を失い孤独になったスイミー。しかしスイミーは孤独の経験により自分の価値を見出しました。この経験からスイミーが得たものこそが、スイミーのもうひとつのメッセージです。

スイミーはレオ・レオニの哲学が込められている

レオ・レオニの人生とスイミー

 

アメリカに亡命し、戦後もう一度自分のルーツへと戻っていたレオ・レオニ。兄弟たちを失い孤独の後に仲間を見つけたスイミー。スイミーはレオ・レオニがイタリアに戻った後に著した作品です。レオ・レオニはスイミーの物語に自身の人生を重ねていたのではないでしょうか。 スイミーという物語にはレオ・レオニの哲学が込められています。

「名作絵本のスイミー!作者が伝えたいもう1つのメッセージ!」より

このような作品論をもとにこの作品の主題を考えると、

みんなで協力することの大切さ」や

自分の特徴を活かす知恵、怯えることなく向かっていく勇気

という思いではないでしょうか。

これらが作品の特徴になります。

「スイミー」の心情曲線は、「スイミー」の「大きな魚に対する気持ち」で追う

 

「スイミー」のクライマックスの場面は、「スイミー」が小さな赤い魚たちとみんなで泳いで大きな魚になってまぐろを追い出す場面です。そのときの、「スイミーの気持ち」を考えます。

「スイミー」は、「まぐろ」に兄弟たちを食べられ、一人ぼっちになってしまいこわくてさびしくて、悲しい気持ちでいます。それが最後には他の兄弟たちと一緒にまぐろを追い出しています。そんな心情の変化を読み取ります。

そこでこのお話では、「スイミー」を「中心人物」として考えていきます。そこで心情曲線は、「スイミーの気持ち」を書き込むワークシートにします。使った心情曲線は以下のファイルです。上のスペースには教科書の本文を貼り付け、文章のどこで曲線が変化するかを曲線で示していきます。

 

スイミー ワークシート

 

「スイミー」は、兄弟たちを「まぐろ」に食べられてしまったことでこわくて、さびしくて、悲しい気持ちになってしまいます。それが最後には、このこわい「まぐろ」を追い出すくらい勇気のある行動をしていることがわかります。どこかで「兄弟を食べられ一人ぼっちになりこわい、さびしい、悲しい」から「みんなでまぐろを追い出す勇気」に変わったことを確認して、「どこで変わったのだろう。」と問い心情曲線のワークシートを配ります。

「スイミー」は兄弟を食べられ一人ぼっちになってしまったのだから、当然曲線は「こわい、さびしい、悲しい」の場所にあるはずです。

クライマックスの場面では、子どもの中には、「(まぐろを)おいだす勇気」曲線をいろいろな場所で書く子がいます。そこで2つの曲線を取り上げ学習問題とします。

クライマックス場面の心情曲線で分かれたのは、

A「それから、とつぜん、」の部分から「おいだす勇気」の場所まで上がる曲線と、

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B「ぼくが目になろう。」の部分で「おいだす勇気」に上がる曲線です。

 

 

「スイミー」の主発問は、「スイミーの勇気の曲線はどれが正しいか」で話し合う

 

どちらの答えが正しいと思うか、自分の考えをノートに書きます。書き終わったら、A 、B のどちらの考えかはっきりさせるため、黒板にマグネットを貼って立場をはっきりさせました。

2つの意見について話し合いを行います。「松井さん」の「うれしい」気持ちは、

A「それから、とつぜん、」のときに高く上がるのか、

B「ぼくが目になろう。」で高く上がるのか、どちらの場面かです。

Aでは、賛成意見として、

「まぐろを追い出す方法を勇気を出して見つけたから」や

「みんなに『はなればなれにならないこと。』『もちばをまもること。』を教えたから」

という意見が出てきました。

一方Bの賛成意見では、

「目がないと大きな魚にならないから」や、

「みんなががんばったからスイミーも勇気が出たから」

という意見が出ました。

Aに対する反対意見として、

「まだスイミーは兄弟に教えただけだから」や

「スイミーはまだ何もしていないから」

という意見が出ました。

 

Bに対する反対意見として、

「もう兄弟が練習することで勇気が出ているから」や

「目になるのは最後で、その前にみんなで大きな魚になろうといって勇気をもって練習しているから」

という意見が出ました。

立場を決めて話し合いを行ったので、最後には解を示しました。Aの子たちの、「兄弟たちに追い出し方を教えた」や「勇気を出して追い出そうと考えた」を大いに認めた上で、答えはBです。なぜなら、スイミーの、「ぼくが目になろう。」という行動は自分自身の勇気から行った行動だからです。

Aの時点で、スイミーに全く勇気がなかったというわけではありません。「こわい、さびしい、悲しい」のころに比べれば十分勇気は上がってきていると思います。しかしAでは、「知恵を出した」だけで自分自身はまだ何もしていません。極端に言えばこの後やっぱり逃げてしまうかもしれません。

しかしBで、「ぼくが目になろう。」と言って実際に魚の一部になるということは、兄弟たちと一緒に「まぐろ」と戦うということです。そこには、スイミーの知恵に加えて勇気が現れています。知恵だけ出して終わりではなく、逃げ出さずにAの段階で、「目になる」ことで大きな魚になったところが、スイミーの気持ちが「勇気でいっぱい」になった場面と考えるのが自然です。

「大きな魚のふりをして」という「知恵」に加え、みんなでまとまって協力したこと。最後には自分が「目になる」ことで、自分の特徴を生かして勇気を出したことが、「まぐろ」を追い出すことにつながったんだねと伝えて授業を終えました。

 

光村図書 2年国語上より

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか。今回「心情曲線」にして立場を決めて話し合うことで、子どもたちは教科書の中身をよく読み、自分の思いを込めた読み込みができるようになったのではないかと感じています。音読劇を見合い交流しあうことも大切ですが、深い読み取りのために、教科書を元に話し合うことも大切な技能です。どんな風に授業を進めようか悩んでいる方にとって、今回の授業の流れを叩き台にしていただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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