小学生、特別支援学級の子たちは通常学級の子たちよりできない?特別支援学級の子たちの真の姿を紹介します!

Pocket

特別支援学級の担任を3年行い、今も授業を行う優太ろうです。特別支援学級の子(情緒学級)たちと関わっていると、通常学級の子たちとは同じ学級では生活できないなと感じます。それは彼らが通常学級の子たちより「できない」からでしょうか。私はそうは思いません。ではなぜ一緒には生活できないのでしょうか。そこで今回は、特別支援の子たちがどんな存在なのか、子どもたちの特徴や過去の人々と照らし合わせながら考えていきたいと思います。そこで答えが見えてきます。きっと特別支援の子たちの見方が変わると思います。

スポンサーリンク

目次

特別支援の子たちが通常学級にいられない理由その1 こだわりと人間関係

 

特別支援の子たちが通常学級にいられないのは、「脳」のつくりの問題です。それは、特別支援の子たちは共通して、「こだわり」が強いということです。

私が担任した3年生4人’(自閉症2人、アスペルガー症候群2人)のクラスでは、「アニメ」「恐竜」「電車」「ゲーム」と見事に「こだわり」が分かれていました。しかもその「こだわり」中途半端なものではありません。完全にマニアックと言った状態です。「そんなこと誰も知らないよ。」と言いたくなるくらい膨大な知識です。

彼らが通常学級の子たちと一緒にいられない最大の要因は、この「こだわり」です。休み時間はもちろん、授業中でも勝手に自分の「こだわり」を始めてしまいます。通常学級ですと、これを許すわけにはいきません。なぜならクラスが成立しなくなってしまうからです。ルールを目の前で破る子をそのままにしておけば、他の子に示しがつきません。結果学級崩壊へと向かってしまいます。そのため教師はこの自分中心の行動を常に注意することになります。結果、常に怒っていなければならない教師と、自分の好きなことをしているだけなのに、常に怒られ続ける子という関係ができてしまいます。ここで大事なのは、特別支援を要する子は、「わざと」やっているのではなく、「自分の好きなことに夢中になっている」だけなのです。これが特別支援に相当する子が、通常学級にいられない原因になります。

また、特別支援を要する子たちは、「相手の気持ちを考える」ことがとても苦手です。「自分の思い」が中心になるので、もめごとも多く起こります。なにより「すぐに怒り」ます。特別支援学級の中でも、頻繁にけんかは起きてしまいます。それはお互いが「相手の気持ち」を考えられないからです。これも通常学級にいられない原因になります。クラスがトラブルだらけになってしまうからです。

 

特別支援の子はできない子なのか?

 

「こだわり」が強く、「社会性」が低いというここまでを見てくると、「特別支援を要する子」はできない子なのか」と考えてしまいます。そこでこれまでの「特別支援を要する子」の歴史を振り返ってみます。

日本人にも「特別支援相当」の有名人がいます。「織田信長」です。彼は「鉄砲」であったり、「楽市楽座」であったりと、その当時の常識を打ち壊していきました。「天下布武」に「こだわり」を見せ、天下統一まであと一歩まで近づいたことを考えると、大成功しています。一方、「人間関係」はうまくいかず、最後は「人間関係」で命を落としています。

 

 

世界に目を向ければ、

「アインシュタイン」

 

 

「エジソン」

 

 

「ビル・ゲイツ」と天才ばかりです。「エジソン」も小学生時代、周りの空気を読まず、教師に質問をし続けた結果、退学しています。

症状によって違いはありますが、彼らに共通していることは、「好きなことは集中して行う」という部分です。そしてそこから生まれたものが世の中を大きく変えているのがわかります。そう考えると、「特別支援を要する子」たちが「できない子」と考えるのは大きく矛盾しているのがわかります。むしろ、「通常学級の子」(大人を含め)たちこそ、「特別支援の子」たちの力の恩恵を受けているような気がしてきます。

 

特別支援の子たちに対する周りの適した対応とは?

 

これらをふまえて考えると、「特別支援を要する子」たちへの適切な対応が見えてきます。まずは、「怒らない」ことです。彼らは教師を怒らせるために「時間や場所を忘れて行動しているのではない」ということです。また、周りの子を怒らせるために「相手の気持ちを考えない言動をしているのではない」ということです。すべて「脳のつくりによる自然な行動」なのです。特別支援の子が集中して行動しているときは、これからの社会のためになる大発明の途中かもしれません。こちらも興味をもって接してあげたり、やりきるまでそっとしてあげたり、応援してあげたり、途中経過をほめてあげたりすることが必要になります。だって本当に将来、通常学級の人たちよりすごい発明をするのかもしれないのですから。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。特別支援を要する子たちの特徴や、これまでの先人の功績を考えると、「できない子」というイメージは取り払われたのではないかと思います。私は現在、「リスペクト」の気持ちをもって彼らに接しています。けんかをしても特徴だとわかっていますし、教師が言ったことをすぐに行動できないのも特徴だとわかっているので怒りも起きません。むしろ何かに集中しているときはそれをよく見ています。どんなことを考えているのだろうと注目していると、複雑な回路を見せてくれたり、本物そっくりのイラストを見せてくれたり、才能の片鱗に触れることができます。彼らの能力を伸ばしてあげられる環境つくりを多くの人に実践してもらえたら幸いです。また教室での指導に関して以下のサイトで紹介していますので興味がある方はご覧ください。

「小学生、特別支援学級の児童、できないことは厳しく指導?適切な指導とは?」

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク