小学生、算数の授業はどうやって進めたらいいの?どの学年、どんな単元にも使えるコツを紹介します!

Pocket

どの学年でもほぼ毎日ある算数の授業、みなさんはどんな風に進めていますか。教えなければならない単元は多く、毎回授業の流れを考えるのも大変ですよね。そこで今回は、どんな学年でも、どんな単元でも使える算数の授業展開をお伝えします。毎回どんな授業にしようか考えている方の参考にしていただければ幸いです。

スポンサーリンク

 

目次

算数の授業はこうやろう その1 基本は教科書

どんな授業でも、子どもを惹きつけるために工夫して授業に臨みたいと多くの先生が思っていると思います。算数でも教科書の内容を見て、「さらに面白くしよう」と意気込む先生もいらっしゃると思います。しかし、算数においてはこれは必要ありません。算数においては教科書が基本です。教科書は文章問題も計算の順番も難易度も、数字の1つにいたるまで、すべてこれまでの経験を元に、その学年にわかりやすいものを厳選して作られています。そのため、どの学年でもどの単元でも使える方法は、「教科書通りに授業をする」ことになります。

 

 

研究授業で「算数」を行う先生がいます。事前研でその単元を皆で意見を出し合ってこねくり回していますが、これはまったくの無意味です。そんな短い時間で考えたアイデアより、もっと長い時間をかけて考えられた内容が教科書なのです。短い時間でその学校内の先生だけのアイデアを出して考えたような授業はむしろ、子どもの思考の妨げになります。もし研究授業で算数を行うなら、「教科書通り」の授業案にするのが一番正しい授業案になります。「そんなの面白くない」と思うのなら、「算数」での研究授業はやめるべきです。子どもの学力向上あっての授業です。先生方に見せるための授業ではありません。

 

 

よって算数の授業を行う上で、全ての学年、全ての単元に使える方法は、「教科書通り」の授業になります。

 

算数の授業はこうやろう その2 教科書の使い方

 

では、どのように教科書を使って授業を進めていけばいいのでしょうか。3年生の教科書を元に、教科書の使い方について紹介していきます。

単元名「3けたのたし算」

問い1 だいすけさんたちは、わかざりを、きのう215こ、今日143こ作りました。わかざりを、合わせて何個作ったでしょうか。

(1) 問題文を教師と一緒に読む 

教師が一文読んだ後に子どもたち全員に同じところを読ませます。

(2) 大切な数字や言葉を見つける 

教科書の中でいいので、大切な数字に赤線を引かせます。この問題では、「215」と「143」が大切な数字になります。大切な言葉にも同じように線を引かせます。ここでは数字と区別をつけるため赤の波線を引かせます。この問題では、「合わせて何個」になります。

 

 

(3) 問題の順番通り進める 

① 図をかきましょう 

② 式を書きましょう 

③ 答えはどのくらいになるでしょうか 

④ 計算の仕方を考えましょう 

⑤ ポイントを読む

⑥     たしかめよう

という教科書の流れの通り問題を教師と一緒に読み、考えをノートに書きながら進めます。この流れの中で意識することは、「早く解き方にたどり着く」ということです。この問題で言うと「4 計算の仕方を考えましょう」になります。子どもに解き方を説明させる際には、ノートにわかりやすい説明を書いている子を指名していきます。(思考の授業ではこの通りではありません)。子どもだけで説明でき、適切な解き方にたどり着けることも必要ですが、「いつまでも適切な答えが出ず、時間だけが過ぎてしまった」では意味がありません。子どもにある程度説明させてわかりやすい説明ができないようなら、教師が入って説明してしまいましょう。

 

 

解き方を確認できたら、「5 たしかめよう」を行い、計算が正しくできているか確認します。時間を取るならここにたくさん時間を取りましょう。

確認のしかたですが、今回の問題は①〜④までの問題が用意されています。①と③をノートにやって教師のところに持ってこさせます。教師は①と③の答えと、日付やページは書いてあるか、タイトルや筆算に線ひきが使われているかを瞬時にチェックします。間違えは当然×をつけますが、ノートのルールを守れていない場合も×をつけます。1番と3番、ルールだけ○つけをすることで、一人あたり5秒で○つけができます。こうすることで列ができないようにします。列ができると無駄話の原因になるからです。

①と③が終わった子は、②と④に取りかかります。これはできても教師に見せません。黒板に①〜④を書くスペースを用意して、早く終わった子に答えを書かせます。

 

 

①と③はわからない子が参考にするために書かせます。つまり答えを見て答えを書いてもよいということです。何もしないで止まっていても算数はできるようになりません。わからないで止まってしまっているのなら、黒板の答えを写した方が勉強になります。その答えを書いて教師に見せ、○をもらった方が自信がつきます。

②と④はあとで答え合わせをするときのために書かせます。黒板に書く子より遅かった子は、「ミニ先生」になってわからない子を教えてあげたり、ノートに「早く終わったことを表すイラスト(花や鉢や蝶)」を書いて静かに待っていたりします。

 

 

全員が①と③に○をもらったら終了です。一番遅い子は、①と③だけやることになります。一番遅くなるということは、「算数が苦手な子」ですので、2問で十分な量になります。また、この苦手な子まで4問やらせてしまうと、時間差が大きくなりすぎてしまい、早く終わった子がやることがなくなって遊び出してしまいます。その時間差を埋めるために問題数で差をつけます。

全員が問題を解き、先生に○をもらった」ということが算数では大切です。○をもらうことで自信をつけられます。そのため、早く「解き方」を知ることが大切になります。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。算数の授業では、教科書の通りに進めていくことが、教師にとっても子どもにとっても一番の近道になります。教科書の通り進めてみて、それでも子どもがわからない時初めて、スモールステップとして教師問題を入れるなどの工夫をする方が子どもにとってもわかりやすい授業になります。算数の授業を毎回工夫していて時間がかかっていた方の時間短縮になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク