小学生、6年生「やまなし」の話し合いは筆者の主題を考える!実際に行った発問を紹介します!

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小学校6年生の物語文の中に、「やまなし」があります。皆さんはどのように授業を進めていますか。今回は「やまなし」の主題についての話し合いで行った授業を紹介していきます。これから授業を行おうと考えている方の叩き台にしていただけたらと思います。

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「やまなし」を読み、作品を捉える

まずは教師が、「やまなし」の作品の特徴を捉えます。「5月」と「12月」を比較しながら学習指導書を読んでいきます。

【5月】に出てくる特徴的な言葉

日光 クラムボン 魚 光のあみ カワセミ 白いかばの花 

明るい 生命 死

【12月】に出てくる特徴的な言葉

鉱物 波 やまなし ラムネのビン 月光 

暗い 寿命 未来

【5月と12月の比較】5月↔︎12月

・谷川に登場している物 生き物↔︎鉱物

・光の様子 日光↔︎月光

・川底の世界 明るく動的↔︎静寂

・上からやってきたもの 鋭く怖いもの↔︎丸くて平和

【やまなしで作者が伝えたかったこと】

【5月】

・万物が眠りから覚め、生命を謳歌する春。明るい光の中で、奪い合われる生命(弱肉強食)。犠牲の上に存在する生命

【12月】

・あらゆるものが影を潜める冷たく寂しい冬。冷たい静寂の中でも、自然は次の生命の芽生えを育みながら準備をする。のんびりと時を楽しむかにの親子。生命の奪い合いのない平和、冬の安らぎがある。「やまなし」は生命を全うし、自らの存在を他の豊かさ、希望としている

これらが学習指導書にある作品の特徴になります。

 

「やまなし」を、作者の主題で追う

 

「やまなし」の「中心人物」は「かに」です。しかし「やまなし」では、「かに」の心の変化を追ってもなかなか大きく変化する場面は見られません。そこで「ピナクル(中心人物の気持ちが大きく変化した場面の検討)」での授業はせず、主題(作者の作品のかけた思い)を検討する授業を行いました。音読の指導を行い、一通り読み終えたら、

「このお話の主題はなんですか。」

と発問します。子どもたちは、思い思いに作品についての「主題」をノートに書いていきます。

「生き物の命を伝えたかった」

「川の中の生活を伝えたかった」

「『やまなし』の役割を伝えたかった」

などの書き込みが見られました。少し薄い主題の読み取りです。しかし「やまなし」の中から主題を読み取ろうとするとこのような読み取りになってしまいます。それだけ「やまなし」だけを読んで主題を読み取ることが難しいということですね。

これらを発表して第1時を終えました。

「やまなし」の主題を、「イーハトーブの夢」を読んで話し合う

 

「やまなし」の主題について自分の思いを書いて発表したら、続いて、「イーハトーブの夢」を読みます。「イーハトーブの夢」には、宮沢賢治の生い立ちや作品感、宮沢賢治の生き方や作品に対する思いが紹介されています。この作品と照らし合わせて「やまなし」の主題を考えていくと、少し見え方が変わってきます。

「やまなし」を「イーハトーブの夢」の中に出てくる「妹 トシ」の存在と照らし合わせて読むと、また違った見え方ができます。そこで、「イーハトーブの夢」にある「妹 トシ」の死の後(1922年11月)「やまなし」ができた(1923年4月)ことを踏まえ、もう一度「やまなし」の主題を考えてもらいました。するとこんな考えが出てきました。

【5月】

「『かに』が賢治や家族で、『魚』はトシ、『カワセミ』はトシの命をうばった病気なのではないか」

 

 

「『魚』は病気で、『カワセミ』は賢治自身で、トシの病気を取り除きたいという思いなのではないか」

「5月には、妹を助けたかったという思いを込めたのではないか」

「5月には、妹を助けられなかったという悔しい気持ちが込められたのではないか」

 

 

【12月】

「『月』がトシで『やまなし』は病気なのではないか。『二日ほどたつと落ちてくる』という表現は、トシの病気も取り除かれてほしいという思いなのではないか」

「『やまなし』がトシだと思う。落ちて死んでしまったけれど、その後お酒になる。トシは死んでしまったけれど、また会いたい、帰ってきてほしいと思いたかったのでは」

 

「『カワセミ』は死んでしまったらそのままだけれど、『やまなし』はお酒になる。新しいものに変わる」

 

などの意見が出ました。これらの意見をお互いに発表してもらいました。

 

 

最後に、

「作者は『5月』と『12月』どちらの生命のことを伝えたかったのだろう」

と発問してみました。すると、

「『カワセミ』は死んでしまったらそのままだけれど、『やまなし』はお酒になる。新しいものに変わるから、トシにも新しいものに生まれ変わってまた会いたいから、12月を伝えたかった」

「5月にも12月にも命が出てくるけれど、題名が『やまなし』ということを考えると、12月の『やまなし』のような命をイメージして伝えたいと思いを込めたのではないか」

 

 

という意見が出てきました。「やまなし」の子どもたちのイメージがぐっと変わってきました。これまで主題を考えても「意味の分からない」作品から、「妹を助けたかった」や「妹にまた会いたい」や「病気を取り除きたい」という思いが込められた作品というイメージになりました。

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか。今回「やまなし」の「主題」を「イーハトーブの夢」の作品を読んだ後話し合ってみました。子どもたちは教科書の中身をもう一度よく読み、作者の思いを汲み取る読み込みができるようになったのではないかと感じています。

どんな風に授業を進めようか悩んでいる方にとって、今回の授業の流れを叩き台にしていただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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