小学生、学級委員はどうやって決めたらいいの?適した決め方はどれ?

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小学校では3年生以上から「学級委員」を決める学校が多いと思います。私の勤めてきた学校でもそうでした。皆さんはどんな方法で学級委員を決めていますか。今回はそんな学級委員の決め方についてお話していきます。今後の指導の叩き台にしていただけたらと思います。

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目次

学級委員は「クラス投票」で決める!は是か非かを問う

 

学級委員を決める際によく行われるのが「クラス投票」です。立候補した子がスピーチをし、それを元にクラスの子が投票して決めるという方法です。この方法、私は「」であると考えます。その理由をお話していきます。

「クラス投票」が「非」であると思う理由の1つ目は、「人気投票になる」「選ばれなかった子の気持ちのダメージが大きい」ということです。クラス投票を行えば、当選する子もいれば、落選する子も出てきます。当選する子は、身の回りの整頓ができていたり、賢かったり、運動ができたりとクラスの中でも人気のある子になりがちです。一方落選した子は、身の回りが整えられなかったり、賢くなかったりという子になりがちです。選ばれなかった子は、自分が選ばれなかったことをどのように受け止めるのでしょうか。小学生が理由を踏まえて、納得して受け止められるのかおおいに疑問です。これは「公開差別」と同じです。また、クラスの子に選ばれなかった子が、その後クラスの子とうまくやっていけるのでしょうか。

 

 

私の娘のクラスでは、何度も立候補しているのに一度も学級委員になれない男の子がいるそうです。彼はADHDであるため、普段、授業にいい加減に臨んでいて、クラスの子と揉めると暴言や暴力をしてしまうこともあるそうです。確かに学級委員にふさわしくないかもしれません。しかし、「学級委員をやりたい」という子を、投票という場面で「普段の借りを返す」ようなやり方で追い出すことが正しいことなのでしょうか。もし学級委員になれば逆に態度が好転するかもしれないのにです。

2つ目は、「選ばれないことを恐れて立候補しにくくなる」ことです。先ほども言ったように、当選する子はだいたいクラスの中で予想がつく子です。逆に言うと、落選する子も予想がつく子です。落選する可能性が高い子たちは、進んで学級委員に立候補するのでしょうか。答えは「NO」です。わざわざクラスみんなの前で、落選する自分をみせたくありません。やる気があっても立候補できなくなってしまうのです。これは本当に「機会均等」なのでしょうか。やる気があっても立候補できない子の気持ちを考えるととても悲しくなります。

 

 

これらの理由から「クラス投票」は「」であると考えます。

 

学級委員は「じゃんけん」で決める!を是か非かを問う!

 

次は、学級委員を決める方法で、「じゃんけん」をして決めることです。私はこの方法を「」であると考えます。

なぜ「是」なのかを話す前に、学級委員の仕事って何があるのでしょうか。体育館でクラスの子を並ばせること、クラスの子を廊下に並ばせること、代表委員会でクラスの意見を話すことなどでしょうか。どれも誰でもできる仕事ですね。並ばせるのは1年生でもできます。クラスの意見を発表するだけなら3年生なら十分できます。つまり学級委員の仕事は、「なんら特別なことではなく、誰でもできる仕事である」という考えがまず大切です。仕事ができない時は担任がサポートしてあげれば十分です。それを元に「じゃんけん」について話していきます。

「じゃんけん」にすると、これまでの自分の行いが関係なくなります。授業に真剣に取り組んでこなかった子も、友達と揉めてしまう子も、みんなチャンスができます。その場に必要なのは「やる気」だけです。みんなに選ばれて落選することがないので恐れずに立候補できます。これこそ「機会均等」です。

 

 

私のクラスが「じゃんけん」にすると言うと、自分のクラスの子なのに、「あの子になったら大変だからじゃんけんはやらせたくない。」なんてことを言う先生もいますが、それは子どもの思いを無視した、自分中心のやり方です。

普段なら当選するのに、じゃんけんで負けてしまったためになれなかった保護者に説明する時も、先ほど「クラス投票」で述べた理由を説明すれば十分です。クラスはその子一人のものではありません。むしろその子に気を遣ったり、担任がなってほしい子が選ばれるように「クラス投票」にする方がクラスの子の中に格差を作ってしまいます。

学級委員は誰にでもできる仕事です。クラスの中で、身の回りの整頓ができない子がなっても、友達と普段揉めてしまう子がなってもいいのです。その子が学級委員になれたことで、いきいきと活動できるなら、それはその子にも、クラスにもプラスになることです。

また、整頓ができなかったり、友達と揉めてしまったりする子が学級委員になったなら、「学級委員なんだから。」と意識させて注意することもできます。これはただ注意するより効果があります。自分でなりたくてなった学級委員だからです。

 

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか。「クラス投票」にするデメリットと「じゃんけん」にするメリットを伝えられたでしょうか私は実際に10年以上学級委員をじゃんけんで決めてきましたが、仕事ができなくて困ったということは一回もありませんでした。それよりも、普段目立たない子でも、進んで仕事をする姿が見られ、新しいその子の可能性を感じることができました。今後の学級委員決めの参考にしていただけたらと思います

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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