小学生、書く力を高めるための方法とは?文法➕習慣化!その2

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「書く力」は国語の最終学力、つまり「読む」「話す」「聞く」など全ての学力の総決算であると野口先生は著書で語っています。そのくらい子どもの書く力を高めることは大変だということですね。そこで今回は、野口先生の著書を元に実際に実践した方法で、また、他の方法も試した結果どのくらい子どもの書く力が高まったのかお伝えしていきます。これから書く力を高めたいと考えている方に読んでいただき叩き台にしていただけたらと思います。

「小学生、書く力を高めるための方法とは?文法➕習慣化!」

 

で書いたことの続きになります。

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目次

書く力を高める指導その3 全員で添削する

 

書く力を高めるための指導のその3は、「全員で添削する」です。野口先生は著書で、「黒板に自分の作文を書き発表させる」と指導法を紹介しています。私も、当番の子に朝、あるいは前日の放課後に黒板に作文を書かせることを行っています。書き終わったら朝の会で自分の作文を発表します。書いてある文章を読むのでスピーチよりもスムーズに進みます。その後、全員で良かったところや、文法や漢字の間違いなどを添削していきます。

こうすることで、毎日の作文から文法を意識して書くようになります。逆にこの発表を行わないと、初日にやった文法をどんどん忘れていき、一年後には何も残っていない状態になってしまいます。

また、当番の子は褒められたことはその後も自信をもって続けていきますし、指摘されたことは次は指摘されないように気をつけるようになります。一方、指摘する側にも同じことが言えます。いずれ自分の発表の順番がきますので、他の子の褒められたところを積極的に真似するようになりますし、他の子の間違いを意識して聞くようになります。

こうして、毎日書く作文を発表する機会を作ることで、子どもたちに書く目的も生まれます。

 

 

 

書く力を高める指導その4 楽しんで書く

 

子どもに書く力を高める指導その4は、「楽しんで書く」です。嫌でも毎日書かせることが力をつける方法ですが、どうせやるなら嫌々やるより楽しんでやる方がいいですね。そこで、毎日の作文に少し工夫を加えていきます。

1つ目は、「なりきり作文」です。なんでもいいので「物」になりきって作文を書きます。例えば「サッカーボール」なら、「僕は〇〇くんのサッカーボール。いつも放課後〇〇くんの遊びに付き合っている。蹴られてとても痛い。…」と言った感じでその物になりきって作文を書いていきます。いつも扱っている物の目線になって作文を書くことで、その物を大切にするような新しい感覚が身につくかもしれません。

 

 

 

2つ目は、「お話作文」です。紙芝居の一場面のような絵を子どもたちに見せます。

 

 

例えば上の絵なら、その絵を見ながら登場人物やどんな場面か話し合い、ある程度意見が出た後で書き始めます。お話を続けるように書くことで、子どもたちそれぞれの想像を膨らめた作文が出来上がります。

3つ目は、「リレー作文」です。30人学級の場合、5日間で作文を仕上げるイメージです。初日、配られた原稿用紙に、自分で作った物語を書きます。登場人物もストーリーも自分で決めていきます。内容は暴力的なことでなければOKですが、「その日で完結しない」ことだけ約束しておきます。

2日目、自分の書いた原稿用紙を後ろの人に回します。前からは前の席の人が前日書いた作文が回ってきます。前の席の人が書いた物語の始まりの部分を読んだら2日目の作文スタートです。前の人が書いた作文の続きを書いていきます。この日も完結はしないことを伝えておきます。また、物語にちょっとした事件が起きるような作文を書くように促します。

3日目、自分の書いた作文を2つ後ろの席の人に回します。2つ前の席の人の作文が自分のところに回ってきます。2つ前の人が書き出し、前の人が書いた続きを読み、完結しないように続きを書いていきます。事件に大きな展開が見られるように促します。

4日目も同じように3つ後ろの席の人に自分の作文を回し書きます。

5日目は4つ後ろの席の人に作文を回し、完結します。書き終わったら自分の作文を返してもらい、読みます。子どもたちは楽しそうに静かに読みます。

 

 

これらの作文を時折混ぜながら取り組んでいくと、子どもたちも嫌々書くだけでなく、楽しんで書くことができ、継続して取り組めるようになります。

 

まとめ

 

ここで紹介してきたことは、どれも野口先生の著書、「作文力を伸ばす、鍛える」の中に出てきたことばかりです。これらを実践してみた結果、作文力の乏しかった子が、始めは原稿用紙2、3行しか書けなかったのに、7割の線まで書けるようになりましたし、得意な子は文章量も文法も確実に高めることができるようになりました。毎日作文の取り組むと、教師がくじけそうになってしまいますが、教師が楽するところは楽しつつ、子どもがたくさん書く事だけを念頭に置いて取り組めばきっと力がつくと思います。ぜひ叩き台にしていただけたらと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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